世界周航 第9章 帰還 そして…
第9章:帰還 そして… セビリアに着くと、街の人々は大歓声をもって迎えてくれた。出航所役人から、世界周航達成を祝う祝賀会が開催されることが告げられ、エレナとともに王宮に向かう。一方、エルカノにも祝賀会への出席が通達されていた。 早速、タべラ枢機卿に帰還を報告。報奨金1,000,000Dに、サーカムライナーの称号とサーカムライナーマント(女性キャラならサーカムライナーローブ)の褒美を賜った後、エルカノ本人の口から祝辞が述べられる。エルカノ「僭越ながら…、レミンカイネン殿。私を含め、世界周航を達成せし者は数えるほどしかおらぬ。あの航海の辛苦を体験せしそなたには、肉親にも似たる思いを感ずるところだ。心から祝福しよう。」 エルカノは顔色が優れないようだが、その顔にはどこか余裕が見受けられた。しかし、祝杯をあげる段になったとき、エルカノの表情が一変する。捕らえているはずのバルボサが現れたのだ!バルボサ「お待ちくだされ! レミンカイネン殿、その杯の酒を飲むでない…。」 後でわかったことだが、この祝賀会において、飲むはずであった杯から毒が見つかったようだ。嫌疑はエルカノにかけられたが、その名声から追求の手は弱められ、最終的に不問という形で決着することになる。 バルボサは手記の提示を促す。手記に目を通すタベラ枢機卿。エルカノの焦りは極限だ。タベラ枢機卿が手記を読み終えるや否や、エルカノは手記の内容を否定する。しかし、エルカノは、そのあまりの狼狽ぶりに、退席を命じられ、すごすごと退席する。 一方、エレナは、手記の内容が真実ならば、莫大な額の遺産を相続できることになる。バルボサ家の相続権を破棄し、マゼラン家を継ぐようすすめられる。しかし、エレナはタベラ枢機卿に対し、マゼラン家の相続を破棄することを告げる。そのかわりに、父マゼランと、その艦隊に参加した全ての船乗りの名誉回復を申し出た。いたく心打たれたタベラ枢機卿はこれを快諾する。 こうして、波乱で幕開けた祝賀会は落ち着きを取り戻し、華やかな夜が過ぎていく。 一方、エルカノは数々の失策を重ねバルボサ逃亡を許した配下を処断しようとしていた。そこへ突如、イスパニアの近衛兵が乗り込んでくる。配下が裏切っていたのだ。この時をもって、世界周航の達成者フアン・セバスティアン・エルカノの失脚は決定的となった。これも後日談だが、その後、エルカノは、名誉回復のためガルシア・ホフレ・ド・ロアイサの率いる香料諸島を探索する艦隊に参加する。二度目の世界周航を目論むも、その航海の途上で命を落とすこととなる。己の野心に目がくらんだ哀れな航海者の冥福を祈ろう。 一夜明けた王宮。そこには旅の疲れも癒え、祖父との再会も果たしたエレナとレミンカイネンの姿があった。バルボサから手記捜索の成功報酬500,000Dをもらう。そして、エレナもブエノスアイレスでの礼としてエレナのロザリオをくれた。ロザリオは父のことをよく知る航海者に持っていて欲しいというのだエレナ「いいのいいの、これは、お父さんのことを一番わかってくれる人に持っててもらいたいの。お父さんたちが、命をかけて手に入れようとした大切なもの。それを取り戻せたんだもん。それに…、お父さんの優しさや勇気、誇り…。全部レミンカイネンさんのおかげで、知ることができたんだよ。私の胸にあるのはこのロザリオよりもっともっと大切でかけがえのないものなの…。私はそれで十分だよ!。」 家路につくエレナとバルボサ。別れ際、エレナは約束を交わす。エレナ「レミンカイネンさん。ありがとう。いろんなことがあったけど、私、すっごい楽しかったよ! それでね…、私、船乗りになろうと思うんだ。お父さんに負けないように! レミンカイネンさんに負けないように! そうなれたら…いつか、どこかの海をまた一緒に旅したいなぁ。」 最後に、エレナとバルボサを見送り、世界周航はこうして幕を閉じた。