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2010.12.07
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カテゴリ:現代史

kawanobu日記/ウィキリークスの主宰者ジュリアン・アサンジュがサイバー・テロリストである理由;ジャンル=現代史 画像1

 

kawanobu日記/ウィキリークスの主宰者ジュリアン・アサンジュがサイバー・テロリストである理由;ジャンル=現代史 画像2

 

 ソウルに滞在中に、政府機密文書などをネット上に暴露するウィキリークスの公開したアメリカ外交文書が各所にさざ波を立てている。一部には、イラクでのアメリカ軍による民間人攻撃の映像などを流したことで、主宰者ジュリアン・アサンジュ(真上)を英雄視し、ウィキリークスの活動を称賛する向きがあるが、リブパブリはこの意見に組みしない。

◎有益なのは、グーグル攻撃が中共党政治局常務委から出たことの暴露くらい
 先月28日に暴露されたアメリカの外交文書の主な部分の要約が、新聞各紙に連日のように踊る。中には、この3月にグーグルが中国から撤退するきっかけになったグーグルへのサイバー攻撃が中国共産党の政治局常務委員から指示されたものだというように「有益なもの」はある。これにより、グーグルへのサイバー攻撃が、思想・宣伝担当の政治局常務委院の李長春と治安担当の同局常務委員の周永康が指示したものであることが明確になった。オチとして、攻撃を指示するにいたったきっかけとして、李長春が自分の名前をグーグルで検索したところ、自分に批判的な検索結果が表れたことだというのは秀逸であった。
 ただそうした有益な情報は一握りで、大半はアメリカ外交の信用を毀損し、今後の対外情報集めをしにくくするただの暴露である。どんな意味でも、積極的な意義は見いだせない。

◎北朝鮮批判の中国高官の身分が危うい
 例えば、29日のイギリスの新聞『ガーディアン』が報じた、今年2月22日付の駐韓アメリカ大使館発の公電である。この中で、中国政府高官2人が韓国政府高官に話したという私的見解が詳細に述べられている。それによると中国政府高官は、「朝鮮半島は韓国の管理下で統一されるべきだ」とまで言い切っている。そのうえで、統一朝鮮はソウルが管理し、アメリカが韓国の良好な同盟国であるという状態が中国にとっても「心地よい」とまで述べたという。
また別の公電で、中国外務省次官の何亜非が「北朝鮮は大人の注意を引くための駄々っ子だ」と本音を語っている。
 このような発言は、外に漏れることを想定していない状況で中国政府高官(ただし党の中央幹部ではない)が思わず本音を漏らしたもので、それなりに貴重ではあるが、現在のデリケートな朝鮮半島情勢、すなわち北朝鮮が重大な挑発を繰り返し、それを中国政府が陰で支えるという情勢下で、こうした高官が党・政府からいかなる扱いを受けるか、容易に想像できるだろう。
 前者の高官の犯人捜しが行われ、場合によっては逮捕される恐れがあり、後者の次官・何亜非は失脚の恐れがある。

◎漏れるかもと思えば、誰も本当のことは話さなくなる
 ちなみに、グーグルへのサイバー攻撃を命じたのが中国共産党政治局常務委員だったという情報が有益だとしたのは、これによる「被害者」がいないからだ。中国共産党に9人しかいない最高幹部の政治局常務委員なら、この程度で失脚はしないし、むしろよくやったと政治局で称賛されるだろう。しかし前述の中国政府高官とは、政府では高位かもしれないが、政府より党が上に立つ中国では、中央委員ですらないペイペイだから、政治的立場は脆弱そのものなのである。
 その他、極秘の外交文書が暴露されたことにより、アメリカのクリントン国務長官などは他国の弁明に追われている。ヒラ外交官レベルでも、そうだろう。
 この苦労以上に、どんな内容も場合によってはウィキリークスに暴露されるかもしれないとなれば、第三国の外交官は誰も正しい情報を他国に話さなくなるだろう。外交の要諦である情報取りが大きく削がれる。
 アメリカと、ひいては同盟国の日本など民主主義陣営の国益を大きく損なっているのは、明らかだ。

◎自己顕示欲だけの愉快犯、そしてサイバー・テロリスト
 ウィキリークスは、オーストラリア生まれの元ハッカーであるジュリアン・アサンジュが2006年に創設した。すべての情報にあらゆる人がアクセスできるべきだ、というのが、創設の理念だそうだが、「すべての情報」には、国内対策上も極秘にせざるをえない外交交渉過程、「あらゆる人」には北朝鮮や中国などのスターリン主義者、オサマ・ビン・ラディンらのテロリストも入るのか?
 根拠地にしているスウェーデンから婦女暴行容疑で国際手配されているアサンジュにとって、自らが享受する思想・行動・表現の自由と民主主義を危うくする行動も、正当化されるのだろう。

◎独裁国の山のような極秘文書を1つでも暴露してみよ
 テロリストやスターリン主義者の極秘情報を暴露できず、逆に彼らを利するアサンジュなど、リブパブリから言わせれば、自己顕示欲だけの愉快犯、サイバー・テロリストに過ぎない。もしアサンジュが中国や北朝鮮の極秘文書を暴露できれば、少しは評価できるが、残念ながらアサンジュには両国の協力者がいない。発覚すれば死刑間違いなしの大罪だから、誰も協力しようとしないからだ。
 結局、独裁国家とテロリストの情報だけが守られ、民主主義の弱いガードを突いて民主主義国家の裏を暴き出し、民主主義体制そのものを危機に陥れかねないウィキリークスなど、いかなる大義もないゴミ集積場にすぎない。
 テロリストに便宜を図ることが犯罪であるように、今、サイバー・テロリストに対して、サーバー供与の停止、寄付金を集める銀行口座の閉鎖など、国際社会はようやく正しい途に踏み出したと言えよう。

◎秘密や密約が不可欠の外交交渉
 外交には秘密や密約が不可欠だという点で、1つだけ付け加えておこう。
 年末に始まったNHK『坂の上の雲』は日露戦争にいたる日本の途とそれを担った群像を描いたものだが、あの戦争は日本の「勝利」に終わった。しかし実態は、日本国内は疲弊し(年間国家予算の4倍もの戦費をすでに蕩尽していた)、ヨレヨレの状態で、対して敗れたロシアは、満州・関東州での陸軍と海軍こそ大敗だったが、本国心臓部は無傷で、しかも余裕は十分だった。
 だから時の外相の小村寿太郎は、高圧的なロシアに対して、ポーツマス条約でいかに講和に持ち込むか腐心したのだ。そうした客観情勢を知らない新聞や大衆は、小村が苦心の末にまとめたポーツマス条約の内容(戦争賠償金の獲得を放棄し、南樺太と関東州・南満州鉄道の租借権のみの取得)に激怒し、日比谷焼打事件などの暴動を起こした。
 この交渉内容が事前に漏れたとしたら、間違いなく講和は失敗し、それによって体力の圧倒的に劣る日本は、日露戦争を持久戦に持ち込まれ、疲弊して敗北しただろう。朝鮮はもちろんロシアの植民地になり、対馬と北海道か九州のいずれかがロシア領に割譲されたに違いない。短期決戦のつもりで始めた太平洋戦争が持久戦に持ち込まれて幹部なきまでの大敗を喫したように、である。
 なお下の写真は、先月29日のソウル、光化門前の世宗路で警戒する警官隊。






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Last updated  2010.12.07 06:30:29



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