3476119 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

政治、現代史、進化生物学、人類学・考古学、旅行、映画、メディアなどのブログ

政治、現代史、進化生物学、人類学・考古学、旅行、映画、メディアなどのブログ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

自費出版のリブパブリ2010

自費出版のリブパブリ2010

Keyword Search

▼キーワード検索

Freepage List

Rakuten Card

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

farr@ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
くーる31@ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
背番号のないエース0829@ 婿入り 現在井上ひさし「吉里吉里人」を読書中な…
自費出版のリブパブリ2010@ ありがとうございました。 京都ヒストリカ国際映画祭事務局さん …

Headline News

2019.07.05
XML
カテゴリ:金融と投資

 50年と言えば、かつては人生50年と言われたほど長期間、である。この超長期の借金など、普通は返さなくともいいよ、というほどの無期限に近い。
 ところが空前の超低金利、いやマイナス金利時代、期間50年の社債が登場している。

◎国債の最長年限の40年を抜く
 社債とは、株式会社が事業資金などを得るために発行する利付き債券だ。株式会社が事業を進めるために必要な資金、例えば設備投資などを調達するのは、銀行からの借り入れが一般的だが、環境がいい場合はあえて社債を発行して市場から資金を調達することがある。他に市場から資金を調達する方法には、株式発行による増資があるが、最近はIPO以外はほとんど行われない。
 この社債の償還の満期までの期間がどんどん長くなっていて、ついに今年になって50年債が出た。国債でも最長償還期間は40年債だが、社債でついに抜いた。
 国家は40年たっても証明することはまずないが、株式会社は経済状況と経営陣の力量次第では、倒産や清算などのリスクがある。50年先のことは、誰にも分からない。

◎まず三菱地所、次にJR東日本
 その50年先が償還期限という社債を初めて発行したのは、「大手町の大家さん」こと三菱地所である(写真=同社の大手町の基幹ビル)。通常から考えて三菱地所が消滅することは考えられないけれども、それでも50年債発行は三菱地所が初めてで、逆に三菱地所だからこそ発行できた。



 この発行は、年利1.132%の条件が機関投資家から好感され、需要が強く、4月、三菱地所は当初の調達予定額100億円から150億円に増やして発行できた。
 これに気をよくして、今度はJR東日本(写真)も50年債調達を計画する。三菱地所同様、長期で投資する設備を整備する必要のある会社だ。



 今月中には、条件決定を行う予定だ。JR東日本なら三菱地所同様に、まず倒産の懸念はないから、利率にもよるがかなりの応募を集めるだろう。

◎生命保険を売って超長期の負債を負う生命保険会社が買う
 しかし50年債と言えば、発行会社の担当者も引受機関投資家の担当者も、満期償還日にはいずれも会社はリタイアしていて、生きているかも定かではないはずだ。
 誰が、なぜ、こんな超長期の社債を買うのか。自分が生きているうちに償還金を手にできない個人ではない。法人でも、これだけ長いと銀行なども敬遠する。
 国債も含め、超長期の社債を購入する主体は、生命保険会社だと言われる。生保は、終身保険契約者と場合によっては30年、40年単位で付き合う。保険契約者にとって、30年、40年満期の資産を購入したことになるが、売った生保にすれば30年、40年の負債を負うことになる。だからその分の超長期の資産を購入しておかねばならない理屈なのだ。

◎ギリシャ危機のような経済危機が来たらどうするの?
 しかしこの間、例えば9年前のギリシャ経済危機のように、日本国債が叩き売られ、債券が暴落する可能性は絶無ではない。今はマイナス利回りの10年国債の利回りが仮に10%にも急騰したら、50年社債はジャンク債並みに暴落、場合によっては紙くずに等しいものになるかもしれない。思えば、ずいぶんとリスキーな金融商品だと思う。
 ちなみに日本国債は、償還期限が40年の超長期国債が最も年限が長いが、ヨーロッパでは2016年にベルギー、フランス、スペインが期間50年の超長期国債を発行している。

◎REITの社債を勧められた
 最後に一言、数日前、取引している大手証券会社の担当者から僕の保有するあるREITが発行する社債を買わないか、と電話があった。条件は、利率が年0.6%という。この営業マンの勧誘文句は、社債は価格下落がないから安全だ、そうだ。
 この利率は、上記した三菱地所社債の利率ほどではないが、超低金利下の社債にしては高い。期間が長いに違いないと尋ねると、期間10年だという。即座に断った。
 そもそも発行元のREITの年利回りが4%前後もあり、それよりはるかに低利回りであるうえ、価格下落がないというのも正確ではない。期間10年のうちに、もし金利急騰があれば、この社債の想定価格は大幅暴落する。社債の市場は無いものの、必要となれば販売した証券会社が買い取ってくれるが、その時はかなりの低価格での買い取りとなるはずなのだ。
 金融知識がないと、こんな証券マンの勧誘に乗せられてしまうのだ。

昨年の今日の日記:「エチオピア紀行(138):雑然とした市場の一角で売っていた岩塩片、まるで白い石ころ」






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019.07.05 05:07:54



© Rakuten Group, Inc.