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2019.09.21
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カテゴリ:国際政治

 中東の緊張は、かつてはアラブ諸国とイスラエル間のものだったが、今ではペルシャ湾をめぐるイスラム諸国間のものに変わった。

​◎一時サウジの生産量の半分が失われ、原油先物が急騰​
 去る14日未明、サウジアラビア東部の石油施設へ無人機と巡航ミサイルによる攻撃が行われ、サウジの石油施設が炎上、一時、同国の日量生産能力の約半分が失われた(写真)。



 サウジは、アメリカ、ロシアと並ぶ石油超大国ビッグ3の1つであり、世界各国への原油供給量が最も大きい。この産油量の半分が一気に失われたとあって、さっそく原油先物市場が一時、18%前後も急騰した。
 攻撃の後、サウジの南隣イエメンの大半を支配するイスラム教シーア派のフーシ派が、無人機10機によって攻撃を加えたと発表した。
 しかしこの発表を、攻撃を受けたサウジ、その強力な後援者のアメリカはもちろん、世界中の多くの識者は、眉唾だ、と受け取った。

​​​​◎イエメンからの攻撃ではなく、イランが発射​
 アメリカによると、攻撃を受けた施設はほぼ命中しており、アブカイクの施設で無人機の自爆攻撃で18個所(写真)、クライスの油田で巡航ミサイル7個所が攻撃を受けていた。フーシ派の発表の10個所どころではない倍の攻撃があったことになる。



 しかも巡航ミサイルの航跡や被攻撃施設の跡を詳細に調べると、攻撃機やミサイルは(写真=サウジが公開した攻撃ミサイル)、イエメンのある南からではなく、北から飛来したことが分かった。イラン南西部からやって来た可能性が最も高い。



 つまり多くの人たちが推察したように、そしてサウジとアメリカが非難しているように、イランの仕業であることはほぼ確実となった。

​​​◎強硬派ハメネイに忠誠誓う革命防衛隊の仕業か​
 ただいくら無謀なイランといえども、政府軍がしかけたものではないだろう。ロウハニ大統領なら、そんなことはしないはずだ。おそらくロウハニ指導部の指揮下にない革命防衛隊の仕業だろう。革命防衛隊は、強硬派イスラム法学者でイラン最高指導者のハメネイに忠誠を誓う、イラン国軍と全く別の軍事組織だ。
 アメリカの通信社によると、革命防衛隊がサウジの石油施設を攻撃することは、ハメネイが承認していたという。
 ハメネイとその指導下にある革命防衛隊の狙いは、トランプ政権とロウハニ大統領との和解の動きをぶち壊すことだ。トランプ大統領にすれば、今月解任した補佐官ボルトンから自由になり、イランとの限定的緊張緩和を模索していた時だった。

​◎アメリカ、トランプ政権は、軍事報復は見送りか​
 この攻撃によって、イランは望むならいつでもサウジの石油施設を攻撃し、ひいては西側経済を混乱させることができることが明らかになった。
 そしてサウジのお粗末な防空網も、露呈した。イスラエルに比べれば、天地の差である。
 ただ攻撃を承認したイランのハメネイにすれば、アメリカの大規模報復が懸念材料だっただろう。だから国際社会の非難から十分に言い抜けられるように、自己の影響下にあるイエメンのフーシ派に「犯行声明」を出させたのだ。
 だが今のところ、アメリカは口先の非難だけで、軍事報復を示唆していない。ハメネイにすれば、拍子抜けもいいところだろう。

​◎アメリカより怖いイスラエルの核施設空爆という報復​
 ハメネイが野蛮な攻撃を命じた背景には、イランの生命線である原油輸出が、アメリカの経済制裁の影響で激減していることがある。7月の原油輸出量は日量約10万バレルと、2018年のピーク時の約20分の1にまで減っているのだ。つまりイランにはもはや失うものがないところまで経済的に追い詰められている。
 したがって冒険主義的火遊びにも、躊躇がない。
 だがハメネイは、覚えておくがよい。1度は成功しても、2度目はない。お粗末防空網を突いて、もう1度、サウジを攻撃すれば、今度はアメリカの徹底懲罰が待っている。さらにアメリカは、イスラエルを使って、イランの核施設の徹底空爆を実施するだろう。アメリカのような「世論」をイスラエルは、恐れない。
 今までイラン核施設空爆を思いとどまってきたのは、アメリカの制止があったからだ。
 ハメネイは、中東最強の軍事大国イスラエルの怖さを、それで味わう覚悟があるか。

昨年の今日の日記:「秋晴れの1日、西武線の高麗に広大な河川敷を真っ赤に染める満開の曼珠沙華の大群落を観に行く」






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Last updated  2019.09.21 05:48:29



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