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2021.12.25
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カテゴリ:現代史
 来年2022年の世界情勢の懸念として、プーチン体制のロシアが隣国ウクライナに軍事侵攻するというものがある(12月11日付日記:「2022年は世界動乱の年か、ロシアのウクライナ侵攻の切迫した情報」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202112110000/を参照)。

​◎軍事非介入の手の内さらしたバイデン大統領の拙劣​
​ ウクライナとの国境近くには、10数万人のロシア軍が厳寒の中に終結している(写真=ロシア軍の演習風景)。



 それに対し、アメリカのバイデン大統領はプーチンに深刻な懸念を表明したが、軍事侵攻、すなわちウクライナ侵略があっても、アメリカは軍事介入しないと手の内を明かしてしまった。拙劣としか言いようがない。
 アフガニスタンでの惨めな撤退を見て、プーチンはアメリカは何もできない、とたかをくくっている。だからアメリカなどNATO諸国に対して、「ウクライナのNATO加盟を認めないことの確約」だとか「東欧諸国からのNATO軍の撤退」など、西側がとうてい飲めない条件を、ウクライナ侵略を止める交換条件を取引として持ちだしている。

​◎ロシアの交換条件は旧東欧圏の再支配​
 ウクライナがNATOに加盟したいのは、まさに現在のようにロシア侵略に怯えているからで、順序が逆である。また後者の「東欧諸国からのNATO軍撤退」は、要するにかつてのソ連時代のように、東欧とバルト3国をロシアの勢力圏として認めろ、という要求に他ならない。
 ソ連というスターリニスト体制の軛から脱するために、東欧諸国とバルト3国国民がどれほど血と汗と涙を流したか分かろうともしない、まことに傲慢きわまりない要求だ。ロシア支配の復活を意味するこんな要求を、東欧諸国とバルト3国は絶対に飲まないだろう。

​◎クリミア併合とは違う​
 さてそうなると、現実にプーチン・ロシアの侵略が避けられない情勢になる。
 しかしロシアの新ツァーになったかのようなプーチンは、ウクライナ侵略・支配の得失を理解しているのだろうか。
 プーチンの頭の中には、2014年のクリミア併合の成功体験しかないのだろう。
 しかしクリミアとウクライナ本土とは、かなり基礎条件が異なる。
 クリミアは、かつてソ連時代の後期までソ連構成共和国のロシア連邦の一部だった。ウクライナ共産党第1書記、すなわちウクライナの支配者だったニキータ・フルシチョフが、ソ連共産党第1書記に昇進した後、同じソ連国内のことだから、さほどの議論も影響も無く、クリミアをプレゼントとしてウクライナに編成替えした。
 だからソ連時代の遺産として、クリミアにはロシア系住民が過半数いた。プーチンのロシアのクリミア併合は、そうしたロシア系住民の歓呼に迎えられたのだ。

​◎ホロドモールの悲惨な歴史を負うウクライナ国民​
 しかしウクライナ本土は違う。東部にこそロシア系住民はいるが(その一部はロシアの占領地になっている)、大部分は違う。
​​ しかもウクライナ国民には、1932年から1933年にかけてソ連の専制的独裁者スターリンによって仕掛けられたホロドモール(ウクライナ大飢饉)攻撃の忌まわしい記憶が生々しく残っている。ホロドモールは、スターリンによって推し進められた暴力的な農業集団化によって引き起こされた人工的飢餓で、ウクライナ農民は農地、家畜、穀物を奪われ、推定で400万人~1450万人が餓死した。他に、600万人以上の出生が抑制されたと推定されている(下の写真の上=ウクライナ北東部ハルキウの街の街頭に転がる餓死者遺体。飢えている市民は無表情に立ち去っている;下の写真の下=ウクライナ大飢饉を報じるアメリカの新聞)。




 この大惨事を非難して2006年、ウクライナ議会はホロドモールは「ウクライナ人に対するジェノサイド」と認定した。

​◎錆び付いた経済で侵略したウクライナを統治できるか​
 そうした悲惨な歴史を、ウクライナ軍・国民は鮮明に記憶している。したがってロシアの侵略に対しては血みどろになって抵抗するだろうから、ロシア侵略軍は多大な損害を被る(写真=ロシアの侵略に備えるウクライナ軍兵士)。西側の経済制裁で、経済的被害も大きい。





 広大なウクライナ領土を占領できても、ロシアに敵意を抱く住民が暮らす地域を、ロシアが長期間、軍事支配することはできない。今でさえロシア経済は、疲弊しているのだ。西側からさらに厳しい経済制裁を受けながら、錆び付いた経済で、占領支配のための際限の無い支出ができるのだろうか。

​◎ウクライナ侵略はプーチン体制の終わりの始まりだ​
 僕は、できない、と思う。共産党支配のソ連時代のアフガニスタン侵攻の二の舞になるのかオチだろう。
 アフガニスタン侵攻の敗退は、ソ連に共産党支配の終わりをもたらした。
 ウクライナ侵略は、プーチン体制の終わりをロシアにもたらすに違いない。

昨年の今日の日記:「長崎・五島、世界遺産の旅⑧:明治初年の厳しいキリシタン弾圧「五島崩れ」の記念碑=キリシタン洞窟」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202012250000/​





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Last updated  2021.12.25 06:11:47



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