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カテゴリ:環境
やっと関東に晴れ間が出たので、急遽、18日、19日と1泊2日で奥日光の山に行った。そのため、19日の日記は休載した。 ◎奥日光の山はまだ早春 標高差によって、早春から初夏への移ろいが目にできたのは思わぬ余録であった。 出発地の日光市街地は、もう初夏の緑だったが、いろは坂に向かうにつれ、緑は目にしみるほどの新緑に変わり、中禅寺湖周辺は新芽がふき出たばかりで緑の色が薄く、山に入れば、落葉樹はまだ芽もふき出ていない樹種が多い。 高山の下山中に、野生ニホンザルの群れを見た。一部のメス個体は、仔猿を背に乗せて移動していた。 トウゴクミツバツツジは開花を始め、シロヤシオもその名のとおりの白い可憐な花をつけていた(写真=上がトウゴクミツバツツジ、下がシロヤシオ)。こちらはトウゴクミツバツツジより開花期が、ほんの数日、早そうだ。ヤマツツジは、見事な紅色の花を咲かせていた。 ◎ほとんど人と出会わなかった山行 中善寺温泉から登って、半月山を縦走している時に、木の間から見えた、中禅寺湖の深い青を手前に、残雪をいただいた奥白根山の光景は、ただ美しかった(写真)。 まだ季節が来ないのか、ほとんど人と会わない山行であった。最初の日の高山行では出会ったのはたった1人、2日目の半月山行では7、8人のパーティーを除けば、3人であった。 いずれ写真と共に、さらに詳しく紹介したい。 ◎強烈な温暖化効果ガスのメタンガス 話し変わって地球温暖化について。 温暖化効果ガスと言えば二酸化炭素で、昨年11月のCOP26以来、世界は脱炭素にアクセルをふかした。 しかし二酸化炭素よりももっと強烈な温暖化効果の強いガスがメタンである。 天然ガスの主成分だが、湿原(水田も)やウシのゲップや糞尿の発酵で畜産からもメタンは排出される。最近は、二酸化炭素の温暖化効果によって、広大な永久凍土が融解し、永久凍土に閉じ込められていた太古に作られたメタンの環境への放出も話題になっている。 このメタンが、近年、大気中の濃度が急上昇しているのだ。何しろ20年間の温暖化効果は、二酸化炭素の約84倍もある。大気中に少量しか含まれなくとも、温暖化効果は無視できない。 ◎地球温暖化の3分の1はメタンが原因 ちなみに現在、大気中のメタン濃度は1.8~1.9ppm(0.0018~0.0019%)で、二酸化炭素の約410ppm(約0.41%)の200分の1以下しかない。 それなのに強烈な温暖化効果から、産業革命以来の地球温暖化の20~50%ほどはメタンによるもの、と考えられている。 つまり地球温暖化防止には、二酸化炭素排出抑制は最優先事項だが、メタンも無視してはいけない、ということになる。 ◎大気中のメタン濃度は有史以来最高に そのメタン濃度が、急上昇している。産業革命の始まる前の地球大気中のメタン濃度は0.7~0.75ppm程度だったのが、前掲のように現在は1.8ppmを越えているのだ。そしてその上昇度は、近年、加速している。 アメリカ海洋大気局(NOAA)が地上の観測網から得た地表近くのメタン濃度は、2021年平均で観測を開始した1983年以来、最大の1.898ppmとなった。前年比での上昇幅は、0.001898ppmである。 日本の国立環境研究所も、人工衛星で地球大気全体のメタン濃度を測定していて、こちらも21年は1.857ppmと、過去最大となった。憂慮されるのは、年間上昇幅が21年は11~20年平均の0.008ppmの2倍超の0.017ppmとなっていることだ。 ◎メタン放出は自然由来も メタン濃度上昇は、二酸化炭素と違って人為的でない自然由来もあることで、国立環境研究所によると、40%くらいはそれだという。 ただ前述のように、地球温暖化によって永久凍土層に閉じ込められていた過去のメタンが大気中に排出されたり、温暖化によって湿原が広がり、メタン生成菌の活発化で生成されるメタンも増えるという間接的な人為起源もある。 人口増と食糧の高品質化で肉牛が増産されると、こちらの生物起源の放出も増える。 二酸化炭素よりも対策は一筋縄ではいかないのが、メタン対策である。 昨年の今日の日記:「ワクチン敗戦でも『何が問題なのか』と開き直る厚労省医薬担当者ども、彼らに日本の経済低迷の責任を問う」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202105210000/
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Last updated
2022.05.21 06:26:26
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