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カテゴリ:国際政治
習近平は、半歩、退いた。 15日に行われた、ロシアのウクライナ侵略以来、初めて対面で開かれた中ロ首脳会談で、もみ手をしながらすり寄るようにするプーチンに対し、スターリニスト中国の習近平は、終始、冷たい対応に終始した。 ◎対プーチンの扱いは冷淡 そもそも中ロ会談が行われること自体、スターリニスト中国は当日の外務省記者会見でも公表しなかった。 会談の行われたことは、共産党機関紙の人民日報は報じはしたが、トップの中国・ウズベキスタン首脳会談の記事の下に置かれた。これでは、スターリニスト中国は、ロシアのプーチンよりもウズベキスタンのミルジヨーエフ大統領の方を格上と判断しているみたいだ。 載せられた写真にも、プーチンと習近平が握手したシーンはない。これも、異例だ(写真=2人が握手した写真は無い)。 習近平は、プーチンとの会談中も、顔を合わせることを避けるようにうつむいて手許の紙を読み上げるだけだった。 ◎共同声明も出されず 明らかに習近平は、プーチンから逃げ腰になっている。直前のウクライナ、ハルキウ州からの全面敗退から、深みにはまることを避けている。会談の冒頭、台湾海峡の緊張を踏まえてプーチンが「『1つの中国』の原則を断固として守る」と表明し、最大限の配慮をしたのに、である。 実際、これも異例だが、会談後に共同声明が出されなかった。首脳会談などで共同声明が出されないのは、会談が決裂した場合などだ。決裂したわけではないから、スターリニスト中国は、できれば会談が行われたこと自体、公にしたくないのだろう。 ◎経済的実利だけはしっかり取るスターリニスト中国 それでいて、貿易面の実利だけは、しっかりと得ている。8月の対ロシア貿易は大幅な輸入超過となったが、それは前年同月比6割増にもなっている過去最大の輸入額112億ドルとなっていたからで、これには前年比8割増にもなりそうなロシアからの割安の原油輸入があるからだ。 ロシアは、制裁でドイツなど西側に原油を輸出できなくなっている。スターリニスト中国とインドが買ってくれなければ、原油がだぶつき、市況の大幅下落も避けられない。スターリニスト中国は、「上得意様」なのだ。 ◎イジュームでも集団虐殺か さて、習近平も半歩退く、ロシアのウクライナ侵略では、ロシア侵略軍が敗退したハルキウ州イジュームで、またも約450人もの虐殺死体を埋葬した集団墓地が見つかった(写真)。キーウ近郊ブチャや南部マリウポリなどに続く、ロシア侵略軍の蛮行である。 プーチンのロシア侵略軍は、先輩のスターリン・ソ連によるカティンの森大虐殺のまねをしているようだ。彼らをウクライナ全土から追い出さない限り、こうした大虐殺は今後も続くだろう。 ◎戦争目的を大きく矮小化したプーチン さて、誰の目からも敗色濃厚になっているプーチンは、いったいどうやってウクライナ侵略戦争の結末をつけるつもりなのだろうか。実は、プーチンにも分からないのかもしれない。 侵略戦争を開始した直後は、ウクライナ侵略の目的として、「ウクライナの非ナチ化」、「NATO加盟阻止」、「ウクライナのロシア系住民の保護」などを挙げていた。「非ナチ化」とは、現ゼレンスキー政権を排除し親ロシアの傀儡政権を樹立する狙いだった。 しかし、すべてが水泡に帰そうとしている。 そして16日には、「特別軍事作戦(ウクライナ侵略のロシア側の呼称)の主要な目標は東部ドンバス地域の解放だ」と、大きく後退させた。 しかし、ウクライナ防衛軍の反撃で、それも空しくなるかもしれない。 昨年の今日の日記:「自由と平和、独立を守るために、強大な大国ソ連軍の侵略に勝った小国フィンランドの気概に学ぶ:ソ・フィン戦争、冬戦争、継続戦争、マンネルヘイム」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202109180000/
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Last updated
2022.09.18 06:25:00
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