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カテゴリ:自然科学一般
やや古いが、日経新聞の1面コラム「春秋」(10月15日付)冒頭に、「脳トレ」として次の問題が出されていた(写真=「春秋」欄のカット)。 ◎数学の得意だった人も簡単に引っかかる すなわち「野球のバット1本とボール1個で1ドル10セントする。バットはボールよりも1ドル高い。さてボールの値段はいくらか?」(写真)。 ここで、僕は疑うことなく10セント、と答えた。 ところが、「正解は10セント、ではなく5セントである」という。高校まで数学が一番得意だった「春秋」の筆者も引っかかってしまった、というから、おそらく誰もがそう考えるに違いない。 ◎検算して間違いと分かる 「春秋」筆者は、安直に「1ドル10セントから1ドルを引くと10セント」とするから、いけないと諫める。 しかし、それでも僕には理解できない。 ただ検算すると、間違いに気づく。ボールの値段を10セント(0.1ドル)としてしまうと、バットの値段はそれより1ドル高いのだから、1.1ドルだ。すると、両方の合計額は、1.2ドルになってしまい、設問の額を越えてしまい、間違いだと分かる。 ◎世の中の「引っかけ問題」に引っかかるな そこで、ボールの値段xドルとして方程式を作って考えてみた。 バットの値段は、ボールxドルより1ドル高いのだから、「1+x」ドルである。 すると両方の合計額は、1ドル10セントだったから、 1+x+x=1.1(ドル)である。 つまり2x=1.1-1=0.1 ゆえに、x=0.05 すなわちボールの値段は5セントとなるのだ。 このような引っかけ問題は、世の中にあまたありそうな気がする。例えば、政府が人気取りのために安易に出す給付金などだ。 あの金は、天から降ってくるのではない。いずれは子や孫が返す借金だ。それを思えば、安直に喜ぶのはバットとボールの値段の引っかけ問題のように間違えだ。 要注意である。 昨年の今日の日記:「2つの12月8日の昨日の1つ、ソ連解体の30年後の今」 https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202112090000/
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Last updated
2022.12.09 04:51:52
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