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2023.01.21
カテゴリ：環境
やれば、できる。そして、進行する地球温暖化の阻止のための人類の努力を限りなく鼓舞する報告である。 ◎宇宙から降り注ぐ有害な紫外線から生命を守るオゾン層 今月上旬、国連環境計画（ＵＮＥＰ）をはじめとする環境５団体は共同で、南極上空のオゾン層が修復されており、２０６６年頃までに、破壊が確認される前の１９８０年の水準に回復するとの予測を発表した。オゾン層が極端に薄くなる「オゾンホール」（写真＝南極上空のオゾンホール、２０２２年１０月）が消失するという意味だ。  ２０６６年頃とは、まだ４３年後のことだ。鬼でも何でも笑い転げるだろうが、一時は有害な紫外線によって人類に深刻な打撃を与えると心配されたオゾンホールが無くなることの道筋が見えたのは、大きい（図＝少しずつ縮小しているオゾンホール）。  オゾンは、酸素原子が３つ結合した酸素分子の同素体だ。地球全体を覆い、太陽からの有害な紫外線を遮蔽する効果がある。 ◎１９８０年代に南極上空にオゾンホール出現 ところがそのオゾン層が、冷蔵庫の冷媒やスプレー缶の噴射剤などに使われるフロンガスによって壊されることが、１９７０年代に判明した。オゾン層は気温が極端に低い極地で損なわれやすく、８０年代には南極上空にオゾンホールが出現し、大騒ぎになった。 南極のオゾンホールは年々拡大し、北極上空にまで出現するようになった。 南極に近い、オーストラリアやニュージーランドでは、皮膚にメラニン色素が乏しい白人に、強烈な紫外線による皮膚癌の急増が懸念された（写真＝子どもに紫外線対策のクリームを塗るオーストラリア人）。僕が５年前の１月、真夏のニュージーランドのミルフォード・トラックをトレッキングしようとした際、湿度が高いのに、紫外線は日本の７倍も強いからと、肌に日焼け止めを塗ることとキャップを被ることを強く勧められたことがある。  ◎フロン禁止の「モントリオール議定書」 そして１９８９年、特定フロンをはじめとするオゾン層破壊物質の生産や消費を禁じる国際条約「モントリオール議定書」が発効した。議定書には、温暖化ガスに含まれる代替フロンも追加され、規制は強化された。今では、フロンはほぼ追放された。 先のＵＮＥＰなどのまとめた報告書は、こうした国際的な規制がオゾン層の破壊を食い止め、回復に貢献したと評価した。 前述したように南極上空のオゾン層は２０６６年頃までに、さらに北極上空はそれより一足早く２０４５年頃までに、他の地域では２０４０年頃までに１９８０年のレベルまで回復するだろうと指摘している。 ◎次は地球温暖化阻止へ フロンは、二酸化炭素よりも強い温暖化効果ガスだ。このためオゾン層を保護する試みを継続すれば、地球温暖化の抑制にも貢献する。 そして、二酸化炭素などのこの他の温暖化効果ガスを削減すれば、年々進む地球温暖化を抑制できるかもしれないという希望も湧いてくる。 このケースは、地球規模での環境保護の最初の成功例と讃えられ、地球温暖化阻止にも明るい見通しをもたらしていると強く評価されるのである。 昨年の今日の日記：「原油価格再び高騰、遠からず１バレル＝１００ドルを突破か」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202201210000/
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Last updated
2023.01.21 05:59:42
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