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カテゴリ:環境
世はなべて「脱炭素」。地球温暖化防止に不可欠な動きで、それはどんなことがあっても、各国、各人が推進する必要がある。 しかし、それでも「やっぱり」と思わせるコラムを読んだ。日経新聞4月19日付に掲載されたビジネス・コラムニスト、ピリタ・クラーク氏のコラム記事だ。 ◎EVドライバーが「群れをなして」手放している ここで氏は、「グリーン・ボッチング」という新語を挙げ、実例を紹介している。なお「ボッチング」とは、英語の「botch」、すなわち「しくじる」という意味の動名詞だ。 重要なのは、ガソリンエンジン車からEV(電気自動車)化へのボッチングだ。 イギリスで報じられたニュース例で、EVのドライバーが「群れをなして」EVを手放しているという。理由は、「充電スタンドが足りないため」。 EVの最大の欠点は、ガソリンエンジン車と比べて航続距離の短さと充電時間の長さ・充電スタンドの不足だ。 ◎問題多いEV充電スタンド EVドライバーは、航続距離が短いために、常に電池切れに立ち往生を気にしなければならない。しかも電池切れ間近を知ってから、充電スタンドを探すと、ガソリン給油所に比べて近くにない。やっと充電スタンドにたどり着いても、列をなしているので長時間待たされたりするし、自身の充電にも時間がかかる。 極端な例では、アメリカのゼロエミッション車の40%が販売されている先進地のカリフォルニア州、サンフランシスコ湾周辺のベイエリアで調べた結果では、充電スタンドの23%が機能していないことがわかった。5%のスタンドでは、ケーブルが短すぎてEVの充電口に届かなかったという。 ◎スターリニスト中国とヨーロッパが群を抜く普及率 苦労してやっとたどり着いたスタンドがこうでは、ドライバーはもうEVを止めようと思うだろう。 日本は、EVでは世界的な後進国で、スターリニスト中国とヨーロッパの自動車全体の販売台数に占めるEVシェアは2021年でそれぞれ51%と35%になっている。アメリカも猛追し11%だ(図)。対して日本は直近の2023年2月時点で3.48%に過ぎない。21年では1%以下だった。 ◎EVの不便さに耐えられるか この充電インフラ不足の解消にはかなり時間がかかるにしても、いずれはガソリン給油所並みになるだろうが、充電に時間がかかる、そのために長時間待つ、という欠点は容易には修正されないだろう。 EVに出遅れているトヨタも、新社長の佐藤恒治氏(下の写真の上)のもと、2026年までにEVの世界販売を150万台にする計画を打ち出している(下の写真の下=トヨタが上海モーターショーで公開した新型EV)。 ただし、冒頭の「グリーン・ボッチング」には警戒しなければならない。今は熱に浮かされたようなブームだが、冷静に考えた場合、EVの不便さをどこまで許容できるか、ユーザーは考慮中なのかもしれないからだ。
昨年の今日の日記:「2度と脅威にならないように;ウクライナ侵略のロシアを徹底的に叩き、再起不能にと目論むアメリカの狙いとそれにはまりつつあるプーチンのロシア」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202205010000/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.05.01 03:48:06
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