|
|
|
2023.09.10
カテゴリ：現代史
ミサイル発射実験を繰り返し、そのたびに日韓米を緊張させる北朝鮮ならず者集団。地方の国民を餓死させる一方、中央の「宮殿」で贅沢三昧にふける金正恩などのならず者たち。この跛行的な現状に、北朝鮮ならず者集団のすべてが象徴されている（写真＝軍事パレードで展覧された北朝鮮のＩＣＢＭ）。  ◎厳格な身分制度「出身成分」 西側の推定では、核とミサイル開発に、北朝鮮ならず者集団はおそらく年間数十億ドルを注ぎ込んでいる。しかし北朝鮮ならず者集団のＧＤＰ（国内総生産）は３００億ドル程度しかない。 その費用のかなりは、ビットコインなどの仮想通貨の窃取、密輸など犯罪で稼いでいる。 ただそのおかげで、北朝鮮ならず者集団は国連による厳しい経済制裁を受け、国内経済はずっと低迷している。わずかな富は、金正恩一族とその取り巻きのノーメンクラツーラに窃盗されるので、一般国民はまさに飢餓状態にあえぐことになる。 北朝鮮ならず者集団には、出身成分という厳格な身分制度があり、少数の核心階層以外は常に貧困状態にあり、最下層の敵対階層はほぼ飢餓状態に放置される。この出身成分は３代まで遡って調査されるから、日本の植民地時代に公務員、教師、警官、軍人などになっていた者の子孫はすべて敵対階層に分類される。 ◎国民の栄養状態悪く、平均寿命は韓国より男女とも１３歳も短い そうした流動性のとぼしい社会で、経済政策などほぼ存在しないから、北朝鮮経済は慢性的にマイナス成長となる。山野ははげ山で、肥料も施肥されないから、土地はやせ細り、ちょっとした降雨と干ばつで農作物は全滅状態に陥る。 国民の栄養状態は悪いので、平均寿命は男性が６７．０歳、女性が７３．８歳で、韓国と比べ男性は１３．９歳、女性は１３．０歳も短く、しかも平均寿命の差は、年々拡大傾向にある。 ◎韓国戦争前の韓国はほとんど武力ゼロ、金日成の侵略を誘因 日本から独立し、南北分断した時は、かつて日本統治時代の水力発電、重化学工業などのインフラは今の北朝鮮に集中していた。一方の南半部の韓国は山がちで何もなかった。 北朝鮮ならず者集団の金日成が、韓国戦争（朝鮮戦争）をしかけた時、韓国の兵力は航空機が練習機のみの２２機、戦車はゼロだった。一方、北朝鮮ならず者集団のそれは、航空機２１１機、戦車２４０両だった。 金日成ならずとも戦争をしかけようと魅惑させられるほどの兵力差だったのだ（写真＝北朝鮮人民軍に攻め込まれて焼け野原になったソウルと避難者たち；ソウルの戦争博物館で）。   ◎日韓条約締の５年後もなお韓国経済力は北に劣後 韓国戦争後、韓国は、特に軍事クーデターで政権を握った朴正熙大統領は、懸命に国の工業化を推し進め、１９６５年に日韓条約を締結して、日本から多額の経済援助を受けた。 韓国が受け取ったのは、１０年間で合計５億ドル（無償３億ドル、有償２億ドル）と民間融資３億ドルだったが、いかに韓国にとって巨額だったかは、当時の韓国の国家予算は約３．５億ドルだったことからも分かる。 これで、浦項製鉄所などの重化学工業を建設した。 しかし、それでも南北格差は残っていた。１９７０年の１人当たりＧＤＰは北朝鮮が３２８ドルの一方、韓国はまだ２７６ドルだった。日韓条約締結後５年たっても、まだ北に劣後していたのだ。 ◎韓国の経済力は北の５４倍 しかしその後、韓国は幾何級数的な経済成長を遂げる。２０２１年の１人当たりＧＤＰは韓国が３万４９４０ドルと１２７倍にも飛躍したのに、北朝鮮はたった倍増の６４４ドルだった。 半世紀たって、１人当たりＧＤＰの南北差は逆転どころか、韓国は北朝鮮の５４倍にもなっている。 この巨大な経済格差、工業力差、教育差、さらに栄養差は、もう北朝鮮ならず者集団はどうあがいても追いつけない。 だから彼らは、核の誘惑にかられるのだ。一か八かの核使用を、日韓米は真剣に恐れている。 （参考までに） ・２０１１年１月７日付日記：「絶望的な南北格差、韓半島の天国と地獄；北朝鮮国民総所得は韓国の３７分の１」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/201101070000/ ・２０１０年８月２０日付日記：「迫り来る北朝鮮Ｘディーに備える中国とアメリカ、韓国(下)：統一税、ドイツ統一、『日朝国交正常化』」 https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/201008200000/ 昨年の今日の日記：「プーチンの『金蔵』エネルギー業界の要人たちの不審死相次ぐ、『邪魔者は消せ』なのか」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202209100000/ お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
Last updated
2023.09.10 05:31:38
|
