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カテゴリ:旅行紀行
モロッコ中部で8日夜(日本時間で9日朝)に発生した地震で、多数の死者が出ている。 震源地はアトラス山脈中にあるアルハウズというが、9年前(2014年)にモロッコ旅行に行った折り、震源地に近く多くの被害の出たマラケシュを訪れ、1泊した。 ◎日干しレンガ造りの建物が倒壊か 地震の規模そのものはさほど大きくはない。M(マグニチュード)6.8であり、気象庁の震度で言えば震度5強か震度6弱程度の揺れになったと思われ、この程度の地震は日本ならしょっちゅう起こっている。 それでも9日現在の内務省の発表で死者1037人もが出ているのは(ちなみにこの数字は早い段階で把握できた被害だけで、震源に近いアトラス山脈中の街などはもっと被害が大きかったはずで、今後、救援と被害調査が広がると、もっと増えるのは確実だ)、アラブ地方で多い日干しレンガ造りの建物が倒壊したからなのだろう。 ◎800年以上前に創建されたモスクは マラケシュは、多くの想い出があるが、同市のシンボルとして最も目立つモスク「クトゥビア」の四角柱の尖塔「ミレット」は美しかった(写真=右に建つのがミレット)。800年以上前の1190年に創建され、高さは約77メートルあり、世界で最も高く美しい塔の1つとされている。 僕はツアー客と共に訪れた他、ホテルに近かったので、翌朝、静謐な中でクトゥビアの環境に浸りたいので早起きして1人で訪ねたものだ。 その後、ツアー出発でカスバを案内された。狭い路地を挟んでびっしりと建てられた建造物は、まさに日干しレンガ造りであった(写真)。カスバも、かなりの被害を受けたに違いない。気掛かりである。 ◎カスバ街道のアーモンドの花とアトラス山脈の雪 マラケシュを後にして、僕たちのバスは「カスバ街道」を走った。 車窓から観るアーモンドの花と雪をいただいたアトラス山脈の支脈は美しかった(写真)。季節は、モロッコの春たけなわで、あちこちで満開に近いアーモンドの花を観て、日本より一足早く花見ができた。 途中の山肌にへばり付くように建っていた民家はどうなっただろうか。 ただ震源のアルハウズは、カスバ街道の西側でちょっと離れていたので、無事だったかどうか。 ◎日干しレンガと石の世界遺産アイト・ベン・ハッドゥは無事か カスバ街道を走って訪れたのは、世界遺産登録されている要塞型集落「アイト・ベン・ハッドゥ」だ(写真)。11世紀頃に通商路を守る目的で丘に建設され、増改築や改修を経ながら今日に至っているという。現在もわずか数家族だが、残って暮らしているらしい。 僕たちは、丘の上のアイト・ベン・ハッドゥの最上階まで登って周囲を見渡したが、なるほど砂漠に近い荒野に建つ丘上の要塞だ。眺望は素晴らしく、敵の襲撃に対する防備は完璧だったろう(写真)。 心配なのは、やはり日干しレンガと石を組み合わせた構造だということだ(写真=一部の部屋に残る住民の飼うロバ)。震源地からどれくらい離れていたかは不明だが、この素晴らしい世界遺産が崩落しなかったことを切に願っている。 昨年の今日の日記:「今や昔、旧ソ連=かつての超軍事先進国、今のロシアの零落」 https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202209110000/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.09.11 05:35:39
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