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2012.04.18
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ゴッホが"売れない画家"であったという通説を覆す『ゴッホ契約の兄弟』
ゴッホと弟のテオは、"売れない画家"の兄とその兄を"献身的に支える"弟という今までの
見方から、兄弟というより画家とやり手の画商として"契約を結んだ"間柄であったというのが
著者の説。

細かな手紙と作品の検証・理論の展開がアカデミックに成されていて、すごく面白かった!

著者によれば、ゴッホは"精神病"により精神を病んで自殺したのではなく
その死の数年前には既に画家としての名声が高まっており、頻発する癲癇の発作から
廃人になるかもしれないという恐怖に囚われてはいたものの、弟への最後の手紙はゴッホの
死によって画家としての名声が確立される(テオの所有するゴッホの絵画がその死によって
高騰する)ことを鋭く指摘していることを明らかにしていて、驚くことばかり。

ゴーギャンと別離する直前の有名な耳切り事件も、私の知る通説(俗説?)とは違う
その当時のゴッホの読書歴、手紙、絵画から新たな説を唱えていて面白い。

私がゴッホの絵を初めて見たのは、小学生の時に行った東郷青児美術館の「ひまわり」だけど
1番印象に残っているのは4年前に行ったゴッホ美術館よりも、MoMAの「星月夜」とメットの「糸杉」。

天上に発光しながら渦巻く星と銀河を描いた空の絵や燃え上がるような杉の木の絵はすごく
印象に残っていて、「天才ってこんな風に表現するんだ」と思っていたら、「糸杉」について
ゴッホはテオに「どうして皆見たままに描かないのか」と手紙で書き送っていたとか。
あれが「見たまま」を表現したのだとしたら、あんなに燃えるように、揺らぐように見える
のであれば、確かに何か心身に変調があるように思える。
(「星月夜」の方は、著者によると文学(ドーデの『星』)をモチーフに描いたと推定。
読んだことの無い作家の本が沢山でてくるものの、ゴッホのインスピレーションの元が
結構文学に由来することに新鮮な感じを受けます)

アムステルダムのゴッホ美術館であっさり観てしまった「不穏な空の下のはてしない麦畑」と
「カラスの群れ飛ぶ麦畑」が死の1週間ほど前に描かれた絵だと知っていたら、もっとじっくり
観てくればよかった。けど、絵を観た印象として、あと1週間で自殺してしまう人が描いた絵だとは
思えないような普通の絵(そんな切羽詰った感じを受けない通常の色調の絵)だったけど。

次にゴッホの絵を観る時は、今までとは違った観方になりそう。
手紙や絵の分析だけではなく、キャンバスの使い方や画法の変遷、印象派の色彩論など
知らなかったことが盛り沢山だった。また時間を少し置いて、再読したい本です。





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Last updated  2012.05.06 16:28:57
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