唄のレッスン
先日、東京に唄のレッスンに行ってきました。なぜって?数年前から、「セッションで声を使いたい」という思いが出てきて、そしたら、セッション中、声が即興的に出るようになって、ある時、感じるままに声を出してみたら、なんともいえぬ至福感を味わったのでした。そして、数年前の音特集のスターピープルを本棚から引っ張り出して読んでいたとき、ある人の記事に、すごく興味を持ちました。それは、鍋島久美子さんです。タイトルは、「精妙な音は人の中心をひらく」彼女は、音楽家にして、小さな合唱団ハルモニアを率いています。鍋島さんは、「耳をひらく」ことをテーマにしています。耳をひらくって?どういうこと?それは、ただひたすら、聞くことだそうです。そして、この記事に書いてあった、「後ろから声を出す」こと。いったいどういうことなんだろう?とにかく、この人に会ってみたいのと、レッスンを受けたいと思い、個人レッスンを申し込みました。38歳にして、人生初の唄のレッスンです。ワクワクドキドキ☆バイエルでピアノを挫折した、トラウマ?あり。音符恐怖症?(笑)であり。さて、どんなことからやるのだろう?と思っていたら、、、まず、和音を聞き取ることからでした。それは、ドミソではなく、ドイツ音階です。聞いたこともない和音で、聞いたこともない発音。三パターンの違う音階を耳で聞いて、それを先生がランダムに弾くのを、瞬時に答えます。うぅ、ちょっと緊張。。。。頭が働きません。えっと、えっと、、、なのに先生は、「すごくいいですよ」と。は?全然、ちゃんと答えられてないのに、褒められた。なぜ???それは、頭で考えて答えてないからだそうです。鍋島さんのレッスンは、一般的な唄のレッスンとは、180度違うやり方です。なので、声楽をやっている人や、音大を出た人は、いままでのやり方を全部はずさなくてはならないため、難しいといいます。途中でやめていった人もたくさんいるそうです。私は、なんのレッスンも受けていないので、逆によかったみたいです。そして、姿勢とか、呼吸の仕方とか、そんな指導は、一切なしに、レッスンは進みます。先生「後ろに口があると思って、後ろから声を出してください」そんなことはやったことないので、よくわからないけど、イメージしてやってみる。先生「すごくいいですよ」また褒められた。いいのかなんなのかよくわからない。先生が、前に出す声と、後ろに出す声の違いをやってくれた。びっくりした。全然違う。後ろに出した声は、小さな声なんだけど、粒子がすごく細かくて、す~っとこころの奥へと滑り込んできた。目を丸くしてしまった。これを踏まえてまた、やってみる。先生「音を確認しなくていいです」 「喉のことは忘れて」私の発した声で、全部が伝わっている。注意されると、あ、そうだな。。と思う。先生「よくピアノの音を聞いて」先生は、「いかにぼけられるか?」と言っていた。「ぼける」ということは、頭を使わないってことではなく、それこそ、一番頭がクリアな状態なんだそう。ああ、そうだな~。うう~ん、同感。。。セッションでも、「散漫集中」するといいし、コンタクト(ダンス)でも、そうだ。リラックスして、集中するっていうのかな。音の世界も一緒なんだなー先生の話を聞いていると、自分のやっていることと、すごくつながって、興味津々だった。そんなこんなで、先生「じゃあ、賛美歌を歌います」私「え?もう!?」唄ったことのない唄を、なんとなく音符を読みながら、先生と一緒に歌う。何回か唄っていたら、突然、涙がこみあげてきた。あらら?なんで?泣き声で唄えない。。。なのに、先生は、「いままでで一番安定してましたよ」全然、唄えてなかったのに。不思議。。。自分の奥深くの、何かに触れた瞬間、こういうことは、いままでも何度もある。でも、今回は、すごく不意にやってきた。びっくりした。後ろから出す声、なんとなくだけど、ちょっとだけ分かってきた。先生にすごく褒められた。私の中に広がる世界が伝わったのだそう。ここまでくるのに、9年かかる人もいるそうだ。どうやら、私は優秀みたい。るん♪でも自分では、よくわからない。なので、この音の世界を探求して、自分の中でこれだ!という感覚がつかめるまで、レッスンに通うことにした。新しい音の世界。楽しみです♪