ブラインシュリンプに追いつけ追い越せ? 稚魚用フードvol.09
さてさて、海外出張などでずいぶんと間が開いてしまいましたが(苦笑)稚魚用フードの最高峰とも言うべき孵化したてのブラインシュリンプ幼生の地位を目指して、メーカー各社の研究開発努力は日夜行われております!・・・たぶん(笑)。前回紹介した、殻剥きブラインは最も手っ取り早い方法ですが、やはりそこはそれ!メーカーの威信を賭けて人工フードだって発売しちゃってるんです!! メーカーの中には、成魚用のフレークフードを製造する際にどうしても破砕した小片が出てしまうのに着目して、それをさらにパウダー状に細かく砕いて稚魚用フードいっちょ上がりっ!てな所もありますが(苦笑)、あんたらメーカーとしてのプライドとか良心ってもんは無いんかいっ!!と言いたくなりますな。もちろん、そんなクソメーカーは極少数で、後は皆さん一生懸命?開発に励んでおられます。そんな稚魚用人工フードをいくつかご紹介しましょう。 ショップなどで最も入手しやすいのがキョーリンのひかりパピィでしょう。かなりパウダーに近い微細粉末で栄養価の面からは特に問題ないようです。問題は嗜好性でしょう。パッケージにも書いてあるように、メダカ・エンゼル・グッピー・プラティあたりであれば問題なく食べてくれます。ただ、ベタや卵生メダカ、小型カラシン、ラスボラあたりの初期餌料としてはチョット苦戦します。やっぱり、動かないのがどうにも不利ですよね~。 続いてのエントリーは、ニチドウのリリーフブラインです。こちらは、孵化したてのブラインシュリンプ幼生と同等かやや小さめの顆粒状フードです。心持、タンパク質含有量が少ない気もしますが、まずまず合格点の栄養価。やはり、問題は嗜好性です。パピィ同様、エンゼルなどのシクリッド・卵胎生メダカあたりにはOKです。ただ、この商品でチョット文句言いたいのが、パッケージにブラインシュリンプのように動くとなっている事!裏の注意書きにも「特殊製法により、水中でブラインシュリンプのように動き、稚魚の食欲を促します」って堂々と明記してあります。この商品が発売された時に何も考える事無く購入したのは愚かな私だけ??(苦笑)これが、人間様の食べ物かなんかだったら間違いなくJAROにちくられていると思います!(爆笑) 後は環境リバイブ研究所のクロマ・プロSでしょうか。一部に熱烈な支持者を持つフードですが、タンパク質含有量がムチャクチャ高く稚魚用としては栄養面では申し分ありません。後はやっぱり嗜好性・・・。餌に馴れるまで数日の絶食が可能な成魚ならば問題ないんですけどね~。あっ、ただ誤解の無い様にお願いしたいのはクロマの嗜好性が低いと言う事ではなく、あくまでもブラインシュリンプと較べてと言うことなのでお間違いなく。嗜好性は、上記の2つの製品と同等レベルです。 それと、稚魚用ではないのですが我家では結構重宝しているのがキョーリンのクレストグッピーです。ブラインよりもやや大きめの顆粒タイプですが、栄養バランスもよく嗜好性もそこそこです(笑)。初期餌料としては上の3製品と同様まだまだ改良の余地はありますが、生後1~2ヶ月程度経過したベタや卵生メダカの常用フードとしては結構お薦めできます。毎日、冷凍アカムシ刻んだりハンバーグを粉砕したりする手間と、それらの餌を使用した際の水質の汚染を考えるとかなり利用価値はあると思われます。栄養バランスも良いですしね。 また、一般向けではないのですが養殖業者御用達のおとひめと言うブランドは要チェックです!元々は、ヒラメやマダイなどの養殖業者向けの製品なのですが、その嗜好性・増肉効果(要するに成長率)などどれを取っても、現在市販されている稚魚用人工フードでは最高レベルだと思います。ちなみに、一口におとひめと言ってますがその餌のサイズにより何段階にも分けられて製品化されています。ベタブリーダーや卵目ブリーダーの中には、初期餌料だけブラインシュリンプに依存し、その後は成魚まで一貫しておとひめ一筋って言う人は結構存在します。何より手軽ですからね~。一般魚用としても利用価値大なので、中にはおとひめをショップオリジナルフードとして小分けにして販売しているショップもあるとか(笑)。 唯一つの問題点を挙げれば、業務用フードなので少量での販売がなされていない点でしょう。一般の方々が2kg(ミニマムオーダー)とか購入しても、全体の1/100も使わないうちに残りの餌は変質間違いなしです。どんな人工餌にも言えますが、一度開封したら2~3ヶ月で使い切るようにしないとだめですよ(笑)。もったいなくても余った餌は廃棄しないと、餌が酸化変質していて魚が病気になったり死亡したりする原因となっちゃいますから。それを考えると、ショップの虚偽(笑)を承知の上で小分けになったショップオリジナルフード(元おとひめ)を購入する方が賢いやり方かもしれません。