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メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Aug 8, 2005
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 フランス料理のメインディッシュには様々な肉類が登場します。日本で最もポピュラーであったのがやはり牛肉ですが、昨今のBSEの騒ぎもあってその他の肉類にも注目が集まるようになりました。

 仔羊、鴨、鳩あたりは通年を通してレストランで提供されているようです。羊は最近になってアミノ酸の一種「カルニチン」を多く含む事がTVでも取り上げられ、東京圏ではジンギスカン料理店が次々とオープンしているとか。しかしフランス料理店で使用するのは主として生後若い仔羊の方です。脂身もまだ白くてジューシーなものの背肉をローストなどで提供していることが多いです。

 私がこの業界に入った15年前くらいの当時でも、お客様がチョイスされるのは圧倒的に牛肉の希望が多く、折角入荷した羊、鴨なども上手く出ない事も多くありました。

 飲食業界で「鴨」と呼んでいるものは、本来は飼い馴らされていますので、一般に、例えば動物園や図鑑では家鴨またはアヒルと称されているものです。動物学的に言うと「鴨」とは野鴨を指し真鴨や小鴨・オナガガモ等野生種の総称だそうです。
 
 フランスで飼育されている一般的な品種はバルバリー種(Canard de barbarie)とナント種(Canard de nantais)があり、この2種で市場の大半を占めます。またミュラール(Canard de mulard)と呼ばれる種類は先述のバルバリー種と家鴨(中国産白色ペキン種)をかけ合わせたものです。この鴨の品種は主にフォア・グラを採るために飼育され、その胸肉のフィレがマグレ・ド・カナール(Magret de Canard)の名で流通されています。
 レストランのメニューに「マグレ鴨のロースト」などの名称があったら、それはフォア・グラを採るために太らせて脂の乗った胸肉の部分のローストという意味です。たまたま上手く焼き上がったので「まぐれ」の意味ではありません。

 バルバリー種は英語ではマスコビー・ダック(Muscovy Duck)の名称で結構広く使われています。日本では以前は「バリケン」とも呼ばれていました。
 広く世界中に親しまれている様ですが、バルバリー種の原産は実は南アメリカです。コロンブスがアメリカ大陸を発見する以前はポピュラーな物では無かったのです。
 「バルバリー」とは南米から輸入する際、旧フランス領、西アフリカのセネガルのバルバリー沿岸を寄港地としたために、バルバリーの名で呼ばれるようになりました。バルバリーはラリーのパリ・ダカールのゴール地ダカールの近くの港町でもあります。

 フランスでは冬になると専らジビエ(野生の鳥獣類)料理が重宝されるため、パリの市場にもジビエ専門肉料理店があります。でも、ジビエは冬の時期の特産品。夏の時期は何を販売しているかというと、鴨肉の中でもこのバルバリー種、そしてホロホロ鳥です。
 バルバリー種もホロホロ鳥も発祥が南半球という事で、肥える時期が北半球の鳥とは季節が逆だからというのがその理由だからだそうです。

 近年ではレストランに限らず、大手の百貨店でもこういった食材を置いている所もあります。あ、でもご注意を、「みなみはんきゅう」と言っても大阪のミナミには阪急百貨店はありませんので…





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Last updated  Aug 9, 2005 02:59:01 AM
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背番号のないエースG@ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G@ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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