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カテゴリ:サーヴィス「虎の穴」
このところ、「レストランサービスを向上させるには」というテーマでずっと書いています。
まだまだ実務的な内容には行き着いてないのですが、そもそもどうして「サービスを向上」させないといけないかという話になるのですが、、、 「サービス」という言葉の中には、色々な意味が含まれています。奉仕、給仕、仕えること、、、 私の勝手な解釈なんですが、レストラン業務における「サービス」の意味に「情」という言葉も含めていいんじゃないかと感じてるんですけどね。 「情」、「情け」です。 レストランにはお客様も来られますが、部下や後輩のスタッフ、食材業者さんなんかも来る。我々は「サービス業」なんですから、何らかの形であるにせよ「情」を持って接しないといけない。 「情けは人のためならず」 ですね。 さて、仏教の説話の中にあの世での食事の話があります。 人間は死んだら、天国や地獄に行くのですが、生きているときの所業によって様々な場所に行くのです。死んだ、といってもあの世でも腹が減る(?)こともあります。 それで地獄も天国もまぁ、現世でいうレストランみたいなものがちゃんと用意されているんですって。 食卓は円卓で、みんな一緒に食事をするわけです。ぐるっと周りを取り囲むような形で。テーブルの中央には美味しそうな料理が。この季節だったら鍋とかもアリですかね~。 「美味しそう、、、」と思って箸をのばそうとすると、、、実はこのとき、仏様から手渡されている箸が異様に長い。自分の身長ほどもある長い箸だそうです。 目の前にある料理を何とかつまむことはできても、箸が長すぎて自分の口に運ぶことができません。いろいろと試してみますが、やっぱり自分の口にうまく届きません。料理は冷める一方です。 …で、どうするか? テーブルを囲むお互いが、長い箸を利用して正面の人の口に料理を運んであげる。 これが正解。 我も我もと先を争って、料理を奪い合っていては、いつまでたっても自分のお腹は満たされません。 これが「情」を持った人の、また「サービス」というものの、考え方のひとつでは無いでしょうか。 情けは人のためならず。 現代では、「情けをかけることは、その人にとってよくない。」なんて意味に間違ってとらえられがちな格言ですが、実は、 「情け」とは人に行う行為であったとしても、人のためでなく、自らにいずれ還ってくる。という意味なんですね。 「サービス」もまず、自らが行ってこそ初めて意味が現れるわけです。 だから、商売するにしたって、雇われて働くにしたって、「サービス」する気持ちが無いってのは、「情」が無いことでもあり、「情」が無いってのは、 「なさけない」 という事になってしまいますね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 19, 2007 10:08:35 AM
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