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2004年11月27日
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カテゴリ:story
痣のように残る
この記憶
その言葉

跪いてなんでもしてあげる
自信に満ちたその目がたまらない

これは恋ですか?
それとも・・・・・

教えて欲しいの
新しい愛のカタチ






「あたしと貴方の間には
 確かに愛情というものが存在しているけれど
 決して交わらないの

空と 海の ように」


その男の腕に抱かれて
私はぼんやりと妄想を抱いていた

海の底に沈んでいく
感情
そこは真っ暗だというのに

ときおり
太陽の光が差し込んで
キラキラと光り輝くのだ。

そう水の中の太陽



あの頃から私には
眠りというものが、ない。


彼の長い髪と
うっすらと生えた髭

この男は
イエスキリストにも
凶悪な犯罪者にも見える。


私は間違いなくその男を愛していたのだけれど
同じくらい嫉妬に近い醜い感情を抱いていた。

彼の作り出す言葉を、世界観を
敬愛していた


まるで神様のような男だった。

生まれながらに欲しいものがすべて手に入る
そういう宿命を持った男はそうはいない。
容姿も
家柄も
学歴も

非の打ち所がなかった。

だからこそ彼はある意味では満たされ
どこか感情の一部分が欠乏したように
怖いほど貪欲に感じることもあった。

写真というカタチで残されてゆく
彼の欲望

私もおもちゃのひとつでしかないことを
なんとなくもうその時感じていた

どれだけ身体を重ねたところで
決して交わらない ふたり。



突然
彼が鋏を差し出した。

髪を切って欲しいと。

裸のまま
白いシャツをはおって
死角になっている一階のバルコニーに出た。

肩まで伸びた長い髪に
私は

鋏をいれた。

なぜ私なのか
その答えはずっと解らなかった。


堕ちてゆく

時間。


過去だって切り取ってしまえれば

いいのに。























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最終更新日  2004年11月27日 02時39分01秒
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