壁
壁いつものように心の洗濯をしていた突然きらめく雷の閃光は警戒心を思い起こさせ広げていた洗濯ものを慌ててとりこんだ僅かに開かれていた心の扉それに気がつき覘いていた人がいた私は素肌をみられたかのように頬が焼けるほど恥じらった彼の人の視線をさけうつむき心の扉をしめた雨は涙なのか?風は悲しみなのか?風雨は吹き荒れ窓ガラスに叩きつけていた私はそれを安住の地からじっと眺めていた窓ガラスの向こうの少年彼はいつからそこにいたのだろうか?彼の瞳は私の心に光をさしこみ無邪気な笑顔は私を惹きつけた私はガラスのドアをあけて雨にうたれている彼を私の側に招き入れようとした上下 左右に揺さぶり場所を変え 位置を変え 思いつくあらゆる手段と方法を試みたドアは開かなかった少年は私が移動するとついてきた彼の瞳は私の姿を追っていた私を信じきっている瞳開かない扉動かない扉私はそれでもまだ諦めなかった彼は開かずの扉を察したのか私の正面に身を投げ出し抱きしめるように両手を広げ顔を唇を押し付けた寂しさも悲しみも苦しみも心の痛みも全てを忘れてただ求めるように顔を歪めて泣きじゃくって全身全霊で求めていた一体私に何ができるであろうか?この真っ直ぐな激しい思いにどうしたら応えられるのであろうか?私はただ ただ ただ彼と同じことをしたガラス越しにガラス越しににほんブログ村