ナイロン100℃ 42nd SESSION 「社長吸血記」北九州芸術劇場中劇場
ナイロン100℃ 42nd SESSION 「社長吸血記」北九州芸術劇場中劇場2年ぶりの新作書き下ろし!劇作家、演出家、映画監督、ミュージシャンなど多才に活躍するケラリーノ・サンドロヴィッチが2年ぶりに書き下ろす新作公演。キャストには、おなじみの劇団主力メンバーのほか、様々な舞台やテレビで活躍する鈴木杏、山内圭哉や昨年のキングオブコント優勝者のかもめんたるの2人を客演に迎えます。ナイロン100℃という集団でしか創造できない、独特のKERAワールドにご期待ください。主宰/ケラリーノ・サンドロヴィッチよりタイトルだけ聞くと、ホラー物の愉快なパロディのようですが、騙されてはいけません。悪夢のような演劇になりましょう。と言っても、我々が「シリアス・コメディ」と呼んで一時期よくやっていたような、人がこれでもかとばかりにどんどん死んでいくようなものでも、「ブラック・ファンタジー」と称される、不思議な出来事が頻発するような大人のお伽噺でも、きっとありません。もっと得体の知れない抽象的な悪夢です。得体が知れないだけに逃れようがない。 不条理劇なのに体裁はサラリーマン喜劇なのが、いよいよ始末に負えない、今はそんな感じの舞台を作ってみたいのです。どうかついてきて頂きたい。(北九州芸術劇場HPより)作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演:三宅弘城、大倉孝二、みのすけ、喜安浩平、犬山イヌコ、峯村リエ、村岡希美、 皆戸麻衣、水野小論、猪俣三四郎、小園茉奈、大石将弘 鈴木杏、岩崎う大(かもめんたる)、槙尾ユウスケ(かもめんたる)、山内圭哉いつもは開演時間ぎりぎりに会場に入るが、今日は珍しく余裕をもって会場入り。開演ではなく開場時間には駐車場に着いていた。パンフは1,500円。購入。いつもどおり満席。客層の主力はアラサーだろうが、年配客も多い。男女比は4:6か3:7くらいか。彼岸と此岸の鬩ぎ合い。あるいは、彼岸が此岸を侵食。または、彼岸内此岸のインナースペース。幾通りかの解釈が可能だが、ケラの文にもあるように、これまでのナイロンの戯曲とは趣を異にする、ある種の新境地。所謂ブラック・ファンタジーとも違った、不気味な現代ファンタジー。鈴木杏は数年前の松尾スズキの舞台でも力演していたが、そこからさらに成長して、今や堂々たるもの。そういえば、あの舞台でも峯村リエと共演していた。当時は峯村について行くのに精一杯の風情だったが、今では互角に渡り合っている。いつも完璧な滑舌のナイロン役者陣だが、今回は三宅とみのすけの台詞が聴き取れない場面が数箇所あった。松永玲子と廣川三憲の姿が見えなかったのは寂しい。