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カテゴリ:活字
表題作外、「地獄の道化師」収録。
表題作は、中期乱歩の駄作群の中では、よくまとまっている方だろう。 明智が序盤から登場して存分に活躍する上、この時期の乱歩が多用する、ドタバタ一歩手前の犯人追跡シーンも比較的少ない。 犯人の動機が、親の代からの復讐なのはいつものことだが、赤ん坊の取替えを絡めたところが、乱歩にしては新機軸。 それでも、真犯人が一郎なのは、序盤から丸わかりだったが。 「地獄の道化師」の方はというと、冒頭で相も変らぬ石膏詰め死体が登場して、のっけからげんなりさせられる。 そして結局は、乱歩の常套手段である、顔のない死体と一人二役に収束。生まれの不幸と自らの醜貌による恨みが動機なのも、いつものこと。 狂女を装って標的に近づくあたりは、無理がありすぎ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/09/14 08:36:39 PM
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