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TPPというのは経済戦争の一部です。
そしてそれはTPP圏内の国同士の争いではありません。 経済戦争とは、グローバル経済下でブロック経済化を推し進めることであり、それはその経済圏の内側と外側の争いです。 経済圏の外側にいる資本主義国家は相対的に貿易量が減りますので、何もしなければその分不利益を蒙る事になります。 甘んじて不利益を享受するのでなければ、自分もそのブロック経済に入れてもらうか、新たにブロック経済を作るか、そうでなければそのブロック経済を壊すしかありません。 ブロック経済を壊すというのはなかなかに至難の業です。 既存の利益システムを破壊するには、戦争を仕掛けるほどのインパクトが必要になります。 核による抑止力がない時代であれば或いはそれも可能だったのかもしれませんが、今では余り現実的な方法ではありません。 選択肢はそれ程多くないのです。 仮にエネルギー資源を他国に依存している国家がその供給量を大幅に削減された場合、その国が生き残るにはどんな手法があるでしょうか? 食料も同様です。安全も然り。 モノにしろサービスにしろ、大部分を他国に依存するというのは、外交交渉上で不利益を蒙ることが多いです。 TPPのような強力なブロック経済ができると、その経済圏の中か外かで国家戦略が大きく変わってきます。 TPP圏内での国家間の損得も大事ですが、入らなかった場合にどのブロック経済に属するかについて、国家戦略が必要になります。 資本主義社会が発達した今では、ブロック経済は昔より遥かに多くなってきました。 既に日本が加入している経済圏も、決して少なくありません。FTAなどの2国間経済圏もあります。 必ずしも日本がTPP経済圏に加入しなければならないという事ではありません。 アメリカが東南アジアに進出してきた経済圏に属さない場合は、独自の国家戦略が必要になります。当たり前のことです。 知恵を絞る努力が必要です。 その努力を怠り、考えるのを放棄し、闇雲にアメリカ追従の道を選択する。 それでは能がありません。 最近、日本人は外交について真剣に考えようとしなくなってきているように感じます。 日中韓自由貿易協定、ASEAN+3、東南アジアにはどんどん日本を内包する経済圏が出来つつあります。 色々な選択肢から、TPP加入の是非を考えるべきです。 日本主導の経済圏を作ろうとしても良いでしょう。 日本は昔から知恵を絞ってきたのです。 考えるのを放棄し、安全保障ごとアメリカに何もかも依存する道を選ぶのでは、日本国家の利益に繋がりません。 TPPについては東京大学教授の鈴木宣弘さんの話を聞くのが一番ですが、余りマスコミに出てきません。 鈴木宣弘さんはFTA事前交渉にも随分参加しており、日本の状況や外国との交渉術に長けている方です。 (過去の日本のFTAについては、総合的に見て、かなり日本に有利に働いたと言えるでしょう) 読者には東京大学教授を毛嫌いしている方も居ると思いますが、鈴木宣弘さんは東京大学教授とは思えないくらい優秀な方です。(随分失礼な言い方ですが…) 最近になって鈴木宣弘さんの書いている文章を発見しましたので、御紹介します。 http://notpp.jp/2012_07_11_Prof_Nobuhiro_Suzuki.html 鈴木宣弘さんは大人しい外見に似合わずかなりの情熱家であり、国士です。 是非今後も末永く日本のために尽力してもらいたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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