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さて、ここまでを前提として、ランダムウォーク理論の話に戻りましょう。もうすぐこの話は終わります。 ランダムウォーク理論というのはどういうものでしょうか? 狭義の理論では、テクニカル分析は役に立たない、というものです。 広義の理論では、ファンダメンタル分析もテクニカル分析と同様に役に立たない、というものです。テクニカル分析やファンダメンタル分析を元にした、あらゆる売買が無意味なものであり、それに基づいて継続的に利益を上げ続けることのできる投資家は居ない、というものです。 広義の理論は市場が非常に効率的であるという意見に収束されるため、効率的市場理論とも言われます。 少なくても、人間が自分のやり方で運用するのであれば、それらの長期的な運用結果のほとんどが市場平均を上回らない。 何故なのでしょうか?効率的市場理論ではそれは分からない、といいます。 理由は分からないが、現実的には殆どが市場平均を上回ることがない。これを実証する様々なデータがあります。 ほとんどが市場平均を上回ることがないということは、残りのほんの一握りが莫大なリターンを上げている事になります。 しかし、ランダムウォーク理論の支持者は「それらのほんの一握りも、ほとんど全てがその後市場平均を下回る」と主張します。 極々一部の例外があるが、そのような稀有な存在を抜かせば、「全ての手法が市場平均を上回り続ける事はない」。 短期的には市場平均を上回る事もある。しかし長期的に上回り続ける事は出来ない。長期的な運用成績の平均パフォーマンスが市場平均を大きく上回るのは不可能に近く、また少しでも市場平均を上回るだけでもかなりの『幸運』に恵まれないと不可能だろう。 以上が、ランダムウォーク理論の概要です。 [市場の非効率さを利用した鞘抜き投資]であるバリュー投資を用いている投資家の中には、ランダムウォーク理論を否定する投資家が多いです。 しかし、かれらの多くはテクニカル分析を否定している以上、狭義のランダムウォーク理論支持者ということになります。 ランダムウォーク理論にも色々あり、単純に一つの理論ではないという事に注意したいところです。 ただし一般的にランダムウォーク理論というと、ファンダメンタル分析を含むあらゆる分析に基づいた行動が無駄であるという、広義の理論を指します。 バリュー投資の生みの親であるグレアムは、晩年ランダムウォーク理論を否定しなくなっていました。 『昔のように歪んだ市場ではなくなった今、それは確かに正しいかもしれない』。『私の意見は効率的市場論に近い』。 手相占いは統計学を元にした占いです。少し前に流行った動物占いなんかも同じです。 統計学を否定しても、統計でそのような結果となっているので仕方ないのです。 生命線が長い人が長生きする。たぬきの男は大器晩成。 何も科学的根拠はありません。 もしかしたら、少しくらいは科学的根拠があるものも存在するかもしれませんが、多くの人を納得させることは出来ないでしょう。 統計結果に文句を言っても仕方ないのです。
統計の取り方に疑問を感じるものもありますが、ランダムウォーク理論の根拠になっている統計結果は否定の余地がほとんどありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.06.22 18:04:18
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