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それでは消化試合を始めます。 これは数ヶ月前に書いた文章で、日の目を見る機会のないまま埋もれたままになっていた文章です。 当時とは状況が変ってきていますが、修正せずそのまま投稿します。 半導体 半導体業界が本当に活況だ。 業界の内と外とで物凄い温度差があるだろうと思う。 一応僕は内側に位置しているので、熱量がよく分かる。半導体製造業に求められているスピード感が、コロナショックを境に急速に増加している。 詳細は知らないし書く気もないが、社会人になってから半導体エンジニアの落ちこぼれの端くれをずっとさせてもらっている身としては、この状況をよく記憶しておくことにする。 半導体需要が高まるにつれ、製造している企業の需要も高まる。 日本が半導体の最先端技術で世界を引っ張っていたのはもはや過去の栄光でしかなく、現在の凋落ぶりたるや凄まじい。半導体製造として名を馳せていた企業は半導体事業を切り売りして、外国資本がそこに参入している。日本企業が最先端の半導体技術で優位性を持っていると思うのは愚かだ。現状は余りに悲惨だ。 先日のルネサスの大規模火災は何を表しているのだろうか。メッキ装置が過電流で火災が発生、安全装置は起動していなかったのだろうか。安全装置をOFFにしていたのだろうか。エンジニアの半数をリストラして黒字化に成功した企業の地盤は脆かった。結果論からすると、半導体製造業で重要なのは生産性を上げることで、リストラではなかったということになるだろう。単に合理化を進めながら人員削減するだけでは、半導体の生産が追い付かない。 日本がシェアを有している一部の半導体製造装置の企業はウハウハだ。 パッと思いつく有名企業は、足元の業績が絶好調で、そしてそれが暫く続くことがほぼ確定している。 金融相場で株式市場が上昇する中、そのようなテーマ株に資金が集まり、株価は急上昇している。膨れ上がる時価総額は、やや市場のバランスを欠いている。しかし、上昇続きの株価の説明はできる。高いPERの理由付けは可能だ。 世界最大の半導体製造量を誇り、ダントツで最先端技術を保有している台湾企業のTSMC。この企業が世界に与える影響が余りに大きくなった。その絶大な影響はこれからも続くだろう。TSMCを中国が手中に入れたらアメリカは大変なことになる。2番手のサムスンですらTSMCと比較すると圧倒的に劣後している状況なのだ。数年以内にサムスンがTSMCに技術的に追いつく状況は、現時点では考えにくい。 TSMCが世界経済に与える影響はどんどん大きくなってきている。この一企業の動向次第で、世界経済のパワーバランスが大きく変化する。 日本はどうだろう。半導体材料で圧倒的シェアを誇るので、パワーゲームの参加資格は十分あるだろう。米中対立で世界経済がブロック化していく可能性のある中、日本はどちらに入ることになるのか。今のところ、将来的には中国に分があるような印象を持っている。長期的な半導体需要増加の見込が圧倒的なのだ。この中国の凄まじい半導体需要は、あまり世間一般に知られていない。この需要が半導体業界に無茶苦茶な変化を起こす可能性が高い。内部の人間は皆そう思っているだろう。 ファブレス化したアメリカが、このまま座して死を待つことはないだろう。 手遅れになる前に何か手を打つ筈だ。 そして、それが米中経済戦争の強烈な一手になる可能性がある。 鍵はTSMCだ。それは分かりきっている。 しかし、材料がなければ半導体は作れない。多くのシェアを持つ日本の半導体材料メーカーも鍵なのだ。
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Last updated
2021.07.03 09:58:02
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