暗闇で発狂するまで踊れ
EBM [ エディターズ ]先日のTamas Wellsのライヴのおかげで完全に生き返ったと思しき私ですが、音楽を聴くことがこんなに楽しくてワクワクするものだったのかと改めて感じています。とにかく時間が足りないのです。失われた10年の間に聴かなかったもの全部聴きたい。さすがにそれは無理なのですが、ちょこちょこと旧譜を見つけては聴いています。それに今はyoutubeとかspotifyとか便利なものができましたからね。昔では考えられなかった方法で音源をチェックできるので、これはこれで便利。それでも、ショップに行って試聴する興奮には勝てませんが。先日Interpolが来日していて(行けなかった…)、友人が大阪公演に行っており、短いながらも動画を何本か送ってくれました。それでInterpol祭りになったのですが、そのつながりでyoutubeにピコっと出てきたのがEditorsの「KISS」のPVでした。これが本当に衝撃的で。PVは男性のダンサーが2人、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれます。絡みにドキッとしますが、この振付は本当に見て欲しい。黒い布を使う部分は圧巻です。7分と長尺ですが、それを感じさせないドラマ性と彼らの音に引き込まれてしまいました。歌詞も素敵だと思うんです。「One kiss pulls me to the light, one kiss steals me from my life」とか、「I wish you knew the way I feel because the way I feel is holding me back inside」のあたりとか。PVにすごく合っている。というわけで彼らの2022年リリース「EBM」をようやく手に入れました。私、Editorsは「BACK ROOM」しか知らなかったです。すみません。なんだかその時と雰囲気が違うなと思ったら、メンバーにBlanck MassのBenjamin John Powerを迎えたとのこと。すごくエレクトロニックでインダストリアルのゴリゴリな雰囲気があるんですが、それがEditorsのクールでダーク、時にゴスと呼ばれる彼らに合ってるんじゃないかと私は感じました。ずっとファンの方だと何か思うところなどあるのかもしれませんが、私はこのアルバム、めちゃくちゃ気に入りました。「EBM」とはEditors+Blanck Massなのだそうで。序盤の4曲「HEART ATTACK」~「PICTURESQUE」~「KARMA CLIMB」~「KISS」の流れが圧巻です。メロウな「SILENCE」を挟み、インダストリアル感強めでカッコいい「STRAWBERRY LEMONADE」、ダンサブルな「VIBE」、イントロのドラムスだけでおかわり何杯もできそうな「EDUCATE」、ラストの「STRANGE INTIMACY」がやたらセクシーでダンサブルで破壊的。対訳がないのでしっかりと意味まで把握しきれない部分が多々ありますが、「きみとぼく」的ではなく「俺とお前」的な感じと私は勝手に思っています。冷たいのに奥底で熱く、暗いのに一瞬の閃光に貫かれて放つ輝き…歌詞も音もそんなイメージです。