【粗筋】
「いたこ」が食事を用意しているところへ客が来たので応対、義太夫語りの亭主が代わりに飯を炊き上げるが、しゃもじがどこにあるか分からない。客がいるのでまずかろうと、義太夫の稽古のふりをした。
「これ、女房……じゃもじはいずこ」
「よくぞ尋ねて下された……しゃもじは棚の上にある」
【成立】
明治36(1903)年に録音された三遊亭円右(1)の録音があるが、この後相撲の話になって「(役者のどこがいいんだ)相撲をとらせてみろ」という落ちで終わる。余計な噺が続くので、分からなかったのか、タイトルをカタカナで書かれているのだが、ここでは結婚した女性なので「梓女(あるいは梓妻)」と言うのがタイトルであろう。三遊亭円生(6)が義太夫ものの枕で演じている。
昔本物のいたこがいてテレビに出演、高島忠雄がマリリン・モンローの霊を呼んでもらった。すぐに乗り移って、「ありがというございます、ありがとうございます……」あの世で霊が迷っていて、ここへ呼んでもらえたのでありがたがっているという解説だった。モンローさん、日本語が使えるのか、それともいたこは心を呼び出すので、自動的に翻訳されているのか。子供には理解できなかった。