名作落語大全集

​【粗筋】
　父親が帰って来て、子供に留守中になにかあったかと尋ねると、白い上着でスッテキを突いたキザな男の人が着て、おっかさんが今亭主がいないからちょうとええと、手を引いて奥へ行く。子供は外へ行けと小遣いをくれたが、隠れて様子を伺っていると、布団を敷いて、襖をしめ切って、しばらくするとおっかの声が「ああ、ええわあ」​

……この先を聞くなら小遣いをと言われて銭を出すと、

「男が帰ろうとすると、おっ母ぁがその男にな……何と言うたと思う」

「な、何と言うたんや」
「按摩はん、ご苦労はん」

​
【成立】
　上方噺だという。これは聞いたことが無いが、東京では「真田小僧」の前半が全く同じ。​

※「按摩」は一般に使用を禁じる言葉だが、落語文化の記録のためそのまま使用します。