名作落語大全集

​【粗筋】
　息子が花子さんと結婚を決めるが、父親は反対。自分が若い頃に間違いを犯してこしらえた、母親は違うが、お前の実の妹だと告白される。良子さんならどうですかと言ったら、これもお前の妹だと言う。回りにいる女性はみんな自分の妹のような気がすると嘆いていると、母親に声を掛けられる。訳を話すと、母親は逆上して、​

「かまいません、どちらでもいいから結婚しなさい」

「お母さん、分別を無くしちゃいけません。兄妹で結婚は出来ません」

「いいんです。お前はお父さんの子じゃないんだから」

​
【成立】
　日本の笑い話集にもフランスの小噺集にもあった。三笑亭笑三がよく高座にかけていた。またこれかと非難する記事が出たこともあるが、とにかく明るい調子で楽しく、それもお客さんとやりとりして演っているんだから、いつも同じではない。評論家はそこが分からないのだろうなあ。だから同じネタを毎日講座に掛けますといったら、毎日来て批評をするべきで、その一日だけで書くのは手抜きである。韓国ドラマが流行すると、この噺を「冬のソナタ」という題で演じていた。「お父さん」という呼びかけを何度もするうちに目が合ったので、「はい」って答えたら、「二人で落語をしたのは初めてです」​