テーマ:落語について(2340)
カテゴリ:落語
【粗筋】
去年死んだ、妻の露子が幽霊になって現れた。 「うらめしや」 「おい、うらまれる覚えはないぞ。葬式だってちゃんとやっただろう」 「何よ、あの葬式。段ボールの棺桶で坊さんのお経は3分、たった1万円で終わりって、あの世で形見が狭いのよ」 「安いって文句を言いに化けて出たのか」 「違うの。あの葬式代月賦だったでしょう。もう一周忌なのに、一月分しか払ってないから、成仏できずにいるの。ほら、足が1歩残ってるのよ」 「あ、こりゃお面白い」 「面白くないわ」 亭主の方も言い訳はある。勤務先がつぶれて生活するのがやっとなのだ。そこへ葬儀社の集金人が来たので、露子が相手をする。 「払わないと仏も浮かばれないでしょう」 「はいその通りです。私の顔を覚えているでしょう」 「顔……きゃあっ……」 って、結局脅して追い返す。亭主は喜ぶが、金を返すまで成仏できないのだ。仕方なく、露子がバーでアルバイトをして自分の葬儀代を稼ぐことにした。 「新人の露子でーす」 「美人だね。美人薄命というから気を付けろよ」 「もう遅いわ」 「君と一緒にいると天国に行くような心持だ」 「よろしかったらお連れしますわ」 人気が出て、月賦の一部を返すことが出来た。それで無事に足が消えたのはいいが、足がない女ではバーの務めは出来ない。画家のモデルになって残りを返済。無事成仏できることになった。 「うらめしや」 「露子。成仏したんじゃないのか」 「だって、バーに勤めるのに、新調した着物のお勘定、まだ残ってるの」 【成立】 大野桂作、三笑亭笑三が演った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.04.04 05:10:26
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