000000 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

名作落語大全集

名作落語大全集

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2022.06.24
XML
カテゴリ:落語

【粗筋】
 すばしっこいので小猿と呼ばれた七之助、浅草の芸者・お滝を、禁じられている二人舟に乗せる。船頭と二人きりで乗って、おかしな関係になってはならないというので禁じられているのである。鉄砲洲から船で浅草へ向かうと、永代橋で身投げを救う。新川新堀の酒問屋・鹿島屋で働く幸吉で、集金した30両を博打につぎ込んだ。これがいかさま博打で、金を返してもらおうとして殴られ、額に傷を受けたが相手の袖を引きちぎって逃げた。金がどうにもならないので、思い余って川に身を投げたのだった。いかさまの相手は深川相生町の網打ちの七蔵という。話を聞いた七之助は幸吉を川へ突き落す。実は七蔵というのが七之助の父親、親のために幸吉を突き落としたのだ。お滝にも死んでもらうと言うと、「惚れた男に殺されるなら本望さ」と、あんなこともあった、こんなことも……と、必死の口説きが始まる。

【成立】
 講釈種、立川談志が演っていた。柳家小満んが演っているそうだが、聞いていない。講釈で神田伯龍(6)の口演は次の通り。
1「網打ちの七蔵」:網打ちといかさま博打で名人という七蔵、手に入れた金が贋金で、14歳の息子の七之助が拾ったことにして、二人とも所払いになる。父は5年で帰るが、七之助の方は10年経っても戻らない。七蔵は乗合船で鹿島屋の手代・新吉をカモにして有り金残らず巻き上げる。新吉は船頭からいかさまの名人と聞き、少しでも返してもらおうと追い掛けるが、七蔵に草履で叩かれて額を割られ、羽織の片袖をちぎって逃げる。
2「永代橋・一人船頭一人芸者」:落語の部分。こうして七之助はお滝と深い仲になる。
3「網打ち因果話」:漁師に頼まれて沖に船を出した七蔵だが、網を打つと死骸が掛かる。額が割れていて、片袖を握っている。縁起が悪いと永代橋まで戻って、せめて今夜のおかずでもと思って網を打つと、また死骸。家で燈明を上げさせ、二階に上がると、片袖の羽織があるので漁師は逃げ出す。女房が仏壇をのぞくと火花が散って目に入る。二階にいた七蔵が声に驚いて下を覗くと、梯子段を踏み外して腰が抜けてしまう。娘のお幸は、翌朝炊事をしようと井戸に出て、下駄がすべり、溝に落ちて棒で目を突いてしまう。
4「深川の我が家」:七之助はお滝の情夫になったが、七之助がたかりに行くと、養母のお角が妊娠したお滝を問い詰めている。諦めて実家に行くと、こちらも父が半身不随で、母と妹は失明している。ここも諦めて百本杭まで行くと、吉原に娘を売った母親を侍が殺して金を奪うのを目撃、この侍を殺して100両を奪う。実家へ行って50両の金を置いて行く。
5「奥州白河落ち」:七之助はお滝にも50両を出す。喜んだお角が酒肴を買いに出て行くが、袖に付いた血に気付いて役人に知らせていた。やっと逃げ出して逃げ込んだのが土地の親分の千右衛門の家。親のため、女房のためと言うのに同情した千右衛門は、奥州白河の多左衛門という侠客を紹介する。8ヶ月後、多左衛門に子供が出来ると、お滝のことを思い出す。
6「江戸へ再び」:江戸へ戻った七之助だが、お滝は子を産んで行方知れず、実家は長屋もなくなっている。長屋にいたという甚兵衛に話を聞くと、七蔵の息子が50両を持って来たが、これを立ち聞きした隣の八蔵が女房を殺して金を奪った。父と娘は長屋で面倒を見たが、長屋が取り壊されて後は分からないと言う。息子が来たら悪い事をやめるように言ってくれという言葉と聞いて、七之助は涙ぐむ。役人が来るが、事情を察した甚兵衛が助けてくれる。
7「花川戸の邂逅」:夜の花川戸、二階に明かりが点いて赤ん坊をあやしている。俺も真面目に生きていればと、ぼんやりと見上げていると、二階で余った乳を捨て、七之助は頭からかぶってしまう。家の者が慌てて招き入れると、何とその母親がお滝。義母のお角が七之助の50両と、家財道具まで売り払った全財産を持って逃げてしまい、吉原の廓の主人善之助が憐れんでここに住まわせたのだった。家族は一緒にいるべきだといわれて追い出される。二人は赤ん坊を捨てて奥州へ向かうが、善之助の謎が分かったのだ。善之助は赤ん坊を拾って、立派に育てることを誓う。
8「雪の水茶屋」:二人は善之助の家を出てすぐに、首を括ろうとする若侍を助ける。この父親が八丁堀の与力で、二人の話を聞くと罪を隠して芝明神の境内に茶店を出せるようにしてくれ、お滝の評判で繁盛する。雪の日に現れた女乞食が養母のお角、亭主の悪事を広めてやると言うのをなだめ、ここで働かせることにする。
 お角が一人の時に、お滝に惚れている親分の八蔵が来る。娘の相手には物足りないと言うと、こう見えても実は大谷八衛門という侍の息子だと言うので、お角は驚く。お角は行儀見習いで大谷家に上がり、お手が付いて子を産んだ。別当に口説かれて金を盗んで駆け落ちしたが、それがきっかけで大谷家は没落、別当は金が無くなると行方をくらまし、山王の祭りで迷子になっていた娘が可愛いので連れ帰ったのがお滝。八蔵は我が子であり、それならお滝と一緒にしてやると言い、八蔵も七之助の母を殺して金を奪ったことを告白する。
9「お角と八蔵」:七之助は毎月江の島弁天に行くが、その日の朝八蔵が現れて一緒に行きたいと言う。参詣の後、七之助を島の高台へ連れ出し淵に突き落とす。江戸へ戻ると母親と一緒にお滝を口説く。ところが、七之助は通り掛かった船に救われていた。お角と八蔵を殺したところへ、牛右衛門という者が通り掛かる。実はこれが七之助の母の兄、お滝を預けて、七之助はしばらく大坂に身を寄せることにした。
10「化け物伊勢屋」:3年後、江戸に向かう七之助は品川で雨に降られて化け物伊勢屋と呼ばれる遊女屋の軒で雨宿り。中から声を掛けたお松という遊女に誘われて上がると、一杯やっているところに、お松目当ての客が来た。お松はお座敷でちょっと酒の相手をして逃げ出す。客は女の按摩を呼び、目が見えないのをいいことに手籠めにしようとする。七之助が助けると、これが妹のお幸。10両を出し、驚く妹に、「親父殿が何か言ったらこの書付を見せろ」と自分の名を書いた書付を渡す。
11「南番屋」:お幸は南番屋の長屋に戻り、父に話をしているところへ、火の回りの甲右衛門が様子を見に来てくれた。甲右衛門は、昔両国で小間物屋をしていたが子供が出来ず、捨て子を拾って幸吉と名付けて育てた。その後娘が生まれても幸吉を大事に育て、鹿島屋に奉公に出したが、金を持ち逃げしたというので賠償し、火事で店と女房を失って没落したと話す。七之助が現れ、その幸吉は父のいかさまで金を奪われ、自分に殺された。その祟りで父は腰が抜け、妹の幸は目がつぶれたと話す。甲右衛門は驚くが、博打に手を出した息子が悪い、罪のないお幸の目をつぶしたのなら申し訳ないと、お幸の面倒を見ると言う。それがいなくなった娘の代わりというので尋ねると、山王の祭りで迷子になったと言う。これがお滝なのだ。話を聞いた七蔵は自害する。
 七之助は自首して死罪が言い渡されるが、火事で牢から解き放たれ、真っ先に帰ったので罪を減じられ、島流しになる。ここで将軍・家斉が亡くなり、恩赦で江戸へ戻る。甲右衛門はお滝を見受けし、両国で小間物屋を再開していた。お幸は琴を習って弟子を取るようになった。安心した七之助は出家して道念と名乗り、諸国を回って貧しい人を救った。49歳になると大津へ行き自害したという。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2022.06.24 06:26:57
コメント(0) | コメントを書く


PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

越智 健

越智 健

Favorite Blog

柳亭 ざび88さん

2004~2013 佐藤晋さん
大栗のネタ帳 大栗之真さん
山口良一的ココロ あほんだらすけさん
毎日を楽しもう KYMさん

Comments

モルモタマ@ Re:65:油屋猫(あぶらやねこ)(10/21) これは小咄で、桂米朝が小咄ばかりを演じ…
背番号のないエース0829@ 日比谷公園 「日比谷焼き討ち事件」に、上記の内容に…
http://buycialisky.com/@ Re:土日の予定(12/13) cialis soft tv commercialscialis for sa…
http://buycialisky.com/@ Re:わしの持っているCD・レコード(01/25) viagra cialis levitra href pagecialis 2…
http://buycialisky.com/@ Re:芸協らくごまつり:その5(10/28) cialis 20 mg foglio illustrativocialis …

Freepage List


© Rakuten Group, Inc.
X