【粗筋】
孫悟空、緒八戒、沙悟浄をお供に天竺への道を急ぐ三蔵法師、とある村で八戒と三蔵法師が泉の水を飲んだところ、そろって妊娠してしまう。村人に聞くと、これは子種を宿す泉だという。山の中に子供をおろす泉があるというので孫悟空と沙悟浄が出掛けると、魔物がこの泉を守って邪魔をする。孫悟空は耳に隠してある如意棒を取り出して魔物を退治し、無事泉の水を手に入れた。三蔵法師達も助かり、村人もこれから泉の水が自由に手に入るようになって喜ぶ。
「それにしてもあなた方からは何とも言えぬよい香りがただよっていますなァ」
「それは私、豚の残飯の匂い」
「いいえ、私、河童の藻の香り」
「二人とも引っ込んでな。匂い棒(如意棒)は俺の耳にあらァ」
【成立】
子供の頃に露の五郎兵衛が演ったのを聞いた。金閣銀閣、牛魔大王と羅刹女など、『西遊記』に面白い話はいくらでもあり、それぞれが落語になっていたものと思う。子供の頃に幾つか聞いている記憶があるが、これ以外覚えていない。
【蘊蓄】
『西遊記』は中国四大奇書の一つ。実際には一人で天竺へ入った三蔵法師であるが、これに三匹の魔物をお供につけたのが傑作たる所以。沙悟浄は河童と訳されているが、実際には砂に住む河童のような動物である。
手塚治虫の「孫悟空」、「♪学校が好ッき、好ッき好ッき……」って、覚えてない? 私も見たことがないが、歌だけは知っている。「モンキーマジック」も、ドラマを見たことがないが歌は知っている。