【粗筋】
屋台のおでん屋、一度でいいからホテルのような立派な宿屋に泊まりたいと言ったら、常連客の社長さんが、それならうちの別荘を貸してあげようと言い出した。夫婦と中学生の息子でやって来て、もともと外国人が住んでいたという西洋風の建物に戸惑いながら、夜を迎えるが、そこへ外国人の幽霊が出て来た。親は全く言葉が分からないので、息子を起こして通訳させると、「アイアムゴースト、バックライス」「俺は幽霊だ、うらめしい、と言っている」
英会話の本を出して来て、「ヒヤ、ヒヤ」と本を指差してようやく話が通じる。親善のために出て来たとお酒の瓶を出す。
「こりゃあいいや。びっくりしどおしだ……おい、すぐ燗をしてくれ」
「何言ってるの、ウィスキーを燗する人がいるもんか」
「ああ、それでさっきからヒヤヒヤと言ってたんだ」
【成立】
名和青朗の作品を、春風亭柳昇が演じた。西洋風の建物が分からず、英語が分からない。風呂場でバスとトイレが分からず、バスと聞いて車が付いていないと言う……そういうちょっと古いネタが続く。因みに燗をするのかどうか知らないが、ホットウィスキーはある。
桂米丸が、昭和40年代に海外旅行をネタに、「飛行機で行くと聞いていたのに、バスに乗せやがって」と怒る。「飛行機までバスで行くんです」と説明されて、恥ずかしく「もう下りるんですか、もう少し乗っていてもいいです」ホテルに着くと「バスへどうぞ」と言われてまた移動かと思ったら風呂のことだった……というのを演っていた。