伝説を検証してみよう(メルマガに連載したもの再録)
◇連載<競馬の”伝説・噂”を検証してみよう‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第六回<増量?>レース前日にステーキとご飯にスープで増量を図った騎手がいた。本当です。昭和51年3月1日大井競馬9R「第二十一回銀盃」に出走したアラブの怪物ホクトライデンのハンデは極量の72キロ!72キロ!でした。ホクトライデンに騎乗する田部和広騎手の普段の体重は四十数キロしかないので背負う鉛の数を減らそうと自分の体重を増やす事に挑戦したというのが事実です。田部騎手は前日から「ビーフステーキ、スープ、ゴハン』一生懸命に食べて増量に励んだのですが、増えたのは5キロだけだった。当日は、田部騎手は鉛の板が24枚入るチョッキ(7キロ)を着用してさらに一番重い鞍を使用し騎乗している。レース結果だが、さすがの怪物も不良馬場の雨降りでの72キロは堪えたようで動きに精彩なく13着と大敗。風聞だが、田部騎手がホクトライデンに跨った時「ミシッ!」と音がしたとか?これが大げさでは決してない事は筆者が中央競馬の元名騎手渡辺正人氏を取材したときに氏が国営の名馬ミツハタに騎乗したときの話を聴いたのですが「雨の中山でミツハタは73キロだったんです。馬に乗ったときにミシッと言う音を聞きき駄目だと思いましたがやはり2着でした。次の目黒記念では同じ73キロで勝ちましたよ。良馬場だったのが重いだけに良かったんでしょう」と言っていましたから。