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「小埜瀬莉奈(りな)って言います。僕のおばあちゃんの名前。…そして、僕のおかあさんの名前が、小埜瀬梨穂子。」
小埜瀬。 優維香、 「おばあさんが小埜瀬莉奈さん。おかあさんが、小埜瀬梨穂子さん。」 「毎日一緒いてくれた人。…だから、僕は、そういう人と一緒にいたい。…ま。確かに、海外ではもぅ~~ 自分、ひとりでしたけど。はは。」 優維香、小埜瀬を見て、 「リーダー。」 「だから…。毎日、顔を見ていない人に…。」 顔を傾げて、 「ん~~~。別に…、印象って…、ないんですよね~~。」 そこまで言って優維香に、 「あ。でも、誤解はダメです。弓さんに叱られますから。まっ。確かに~~。弓さん、僕がシェアハウスに引っ越す時に~~。買い物、手伝っては、くれましたけど~~。」 「へっ…???」 優維香、いきなり小埜瀬を見て、 「そうだったんですか~~???」 瞬間、頭の中で、 「…ラインで電話くれれば手伝いに行ったのに。」 小埜瀬、 「…って言うか~~。…でも、あれは、前日の夜に、麗子さんから電話があって。あっ。社長ね、社長。」 「あ、はい。」 「いきなり、何も準備出来てないだろ、明日、ホテル行くから待ってな。って一方的に。」 瞬間、優維香、 「ぷっ。」 「…で、そして朝になって、チャイムが鳴ってドアを開けたら、弓さんがドアの外に。」 優維香、キョトンとして、 「賀寿恵さんが…???」 「えぇ。途中で社長、車から降りて頼むよ。って。信号青だったから、仕方なく。麗子さん、そのまま地下鉄に。」 またもや優維香、 「くっ。」 「社長に、してやられた。…と、言う訳で~~。その日は一日中、弓さんと。…って言うか、僕が断っても、弓さんが麗子さん。あ、いや…。社長から何だかんだ。」 優維香、 「確かに。」 「まっ。…そういう意味では、僕の場合、大学に入って…。それから…、麗子さんに会って、今度は、七瀬夫婦に助けられた。その恩は決して。…だから、一緒にいてくれている人は、絶対に裏切れない。…まぁ…。そんな感じかな~~。」 優維香、 「そう…いう…。事…、かぁ~~。」 「おや。」 小埜瀬。 「はは。」 店の中で、小さな男の子と女の子、椅子に座って仲良く何かを書いている。 その隣ではふたりのおかあさんだろう、お茶を飲みながら。 小埜瀬、 「楽しそうですね~~。」 小埜瀬の見ている店の方を優維香、 「う~~ん…???」 小埜瀬、 「ははは。行きましょうか…。」 優維香、小埜瀬に、 「リーダー、何処へ…???」 「うん…???…はは、当てはありません。」 「…って…???」 「ぶらぶらです。ははは。」 優維香、今までの小埜瀬の話に、今度はまた、困惑した気分になって、頭の中で、 「…んもぅ~~。だから嫌。絶対に好きになれない。」 その時。後ろからいきなり、 「待て―――――っ!!!」 瞬間、後ろを。 「わっ!!!」 小埜瀬、そのまま優維香を抱きしめて、そのまま地面に。 気付けば、優維香の後頭部を小埜瀬右手で支えて、その手は地面に。 そして左手は優維香の背中に。 そして…、顔は…、と言えば…。 小埜瀬の長髪で…、見えないが…。優維香の唇を自分の唇で…。 ふたりともに…、何が起きたいのかは…。 優維香、小埜瀬、共々、数秒間。そのままで…。 いきなり、 「大丈夫ですか…???」 の声。 そして、 「くそ~~。後は頼む。」 その声で気付く優維香と小埜瀬。 すぐさま、ふたり共に、 「!!!!!」 目を。そして、すぐさまお互いの唇が離れる。 勢いのままにお互いの唇を塞ぐようになっていた唇と唇。 小埜瀬、いきなり顔を上げて、 「ごめんなさい。」 優維香も、目を真ん丸にして、 「あ、あ、あ、あ~~。」 優維香、自分の唇に手を。 お互いに何があったのか。小埜瀬、 「すみません。大丈夫ですか…???」 ふたり、気付けば、ひとりの巡査が。 「申し訳ない。ひったくりを追い駆けてて。お怪我は…。」 小埜瀬、 「あ、あ…。あ~~。」 男性の右手と左手の甲から血が。 巡査、 「すぐ手当を…。すみませんが、交番の方に…。」 小埜瀬、 「あ、あ~~。いや…。それなら、早く追い駆けて。」 巡査、ふたりを見て、 「あ、いや…。でも。しかし。」 小埜瀬、すぐさまポケットから名刺を。 巡査、 「申し訳ない。後で必ず。」 その声に小埜瀬、 「あ、はい。でも、ご心配なく。」 巡査、男性に敬礼をして、すぐさま。 通り掛かりの人たちもふたりを見ながら…。 優維香、立ち上がって、気まずい表情で…。 小埜瀬、走り去る巡査を見て、 「大丈夫かな~~???」 そして優維香を見て、 「チーフ殿、ごめんなさい、大丈夫ですか…???」 優維香、乱れた髪を直して、服をパンパンと。そして、スカートを…。 何とか、何が起きたのか頭の中で…。 そして…。自分の口に左手人差し指を…。 瞬間、優維香、何故かしら目を潤ませて、そのまま小埜瀬に抱き付く。 「ごめんなさい。」 好きになれない。 vol,262. 「だから…。毎日、顔を見ていない人に…。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.05.19 18:21:27
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