カズの結婚相手
夕食を食べているとカズがちょっとはずかしそうな困ったような口調で話し出した。「そういえば、カズもう結婚する人が決まっちゃったんだよ」「え~! なんで? 誰? ミホちゃん?」と私。「うん、そう。給食のときに結婚してって言われたからいいよって言ったんだよ」ミホちゃんは何故か前からカズのことが大好きでしょっちゅうカズにチューしてきていた女の子。でも最近は「チューはもうしない」と言ってきたらしくそれが逆に成長を感じたりしたものだった・・・(笑)そんなミホちゃん、チューはしなくなったけど、やっぱりカズのことが相変わらず好きだったのね!「もう決まっちゃったんだ、早いね~」と私。「カズもちょっと早いかなと思ったんだけどねー」とカズ、まんざらでもなさそうなのがまた笑えるそれから、私がちょっと遠い目をしてさびしそうに見えたのかこんなことを言うカズ。「本当はママが一番好きなんだけどね。でもママはパパと結婚しちゃってるし・・・」「それじゃあミホちゃんに失礼でしょー」と私。でも内心とってもうれしかった・・・男の子って本当に小さな恋人みたい。私もカズが大好きで、カズもママが大好き。ギュ~っとしながら「いつまでカズはギューさせてくれるのかなぁ」なんてつぶやくと「おばあちゃんになってもいいよ。死ぬまでいいよ」なんて言ってくれたり・・・パパにも少し見習って欲しいわーと言う傍らで「今だけ、今だけ・・・」とあきれてつぶやくパパ。そう、春には小学生だもんね。(早生まれでだいぶ幼くて信じられないけど)本当にギュ~できるのも今だけかもしれない。そしてそして、いつかは本当に誰かと結婚するのね。そんな遠くだったり近くだったりする未来を想像してちょっぴり寂しくなる秋の夜なのでした。