初物 南風一
何事も初物は少し怖くて
一体どうなるのだろうと不安が過ぎる
自分だけがうまく行かないということはあり得ない
にもかかわらず自分に限ってうまく行かないのじゃないかと
不安に思ったりする
コーヒー味の氷を口に含んだときは
だんだん喉がしびれて麻酔が効いてきた
これはうまく行くかもと思ったところで
胃カメラが口から入って来た
まずカメラが喉元を通るとき
げえげえと吐き気をもよおした
医師はそんなことにはお構いなしにカメラを
どんどん奥へ進めて行く
カメラが胃に到達した後十二指腸に達するまで進んだせいかも
知れない
お腹から下腹部が鈍く痛い
もしこのまま我慢ができなければ
我知らず暴れ出して
このままカメラを残して
ファイバーが切れてしまうんじゃないかという不安が過ぎる
そうこうするうちに
カメラを抜きますからという医師の声が聞こえて
やれやれもう少しの辛抱だと思う
カメラが喉元を通るとき
またげえげえと吐き気をもよおした
涙を流して耐えるうちに
カメラが出て来て
やっとベッドから解放された
何事も初物というのは
美味しい場合もあるがまずい場合もある
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