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南風一の世界

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2020/08/15
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カテゴリ:
  母の人生   南風一

母が亡くなって4年が経とうとしている
母は亡くなる数か月前に
ふと口からこんな言葉を漏らした

「かあちゃんの一生は何も詰まらなかった」
「とうちゃんは早くに怪我して病院生活になるし
 生活していくのに追われ通しで
 ちっとも楽しくなかった」

私は「確かにその通り」と思ったけれど
相槌を打つわけにもいかないから
黙っていた

本当は「こんな孝行息子を持てた母さんは幸せ者だったよ」と
心の中ではそう思ったけれど
そんなことは母が決めることだから
何も言わずにいた

86年生きてきて
楽しいことの一つや二つあったと思うが
昭和6年生まれだったから
少女時代は日中戦争から太平洋戦争の真っただ中で
8人弟姉妹の長子だったから
「いつも祖母のかわりに子守ばかりやっていた」
という話を聞かされていた

太平洋戦争が終われば
今度は8人弟姉妹を食わせて行くために
岡山県の紡績工場で働いた
若い頃から私が大学を卒業するまで
ミシンで手袋ばかりを縫っていた
亡くなるまでに縫った手袋の数たるや
数千万個から数億個に届くかも
知れない

確かに生活のために
手袋縫製内職に明け暮れた人生だった

金をたくさん使うことが「楽しいこと」と定義するなら
母の生活は確かに大して金を稼げなかったから
楽しい生活は送れなかっただろう

だけどお金を使わない生活が楽しくなかったかというと
子どもは子どもなりに
私はそれなりの「お金を使わない楽しみ」を
たくさん体験できた

貧乏生活は私の「宝物」となっている

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Last updated  2020/08/15 11:28:45 PM
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