日ごろの備えは~?
今年に入って、世界的に見ても大きな災害がとても増えてきたように感じるのは私だけではないと思う。地球規模で、そこかしこに異変が起き、世界のどこかで毎月のように災害発生のニュースが入る。いつ、自分が当事者になってもおかしくはないと思う今日この頃だ。趣味で始めたキャンプ用品は、防災グッズとして確かに十分に役に立つ。しかし、普段から十分に備蓄するということをきちんとやっていなかったのでこの機会に改めて家族の為に災害の準備を私なりにやってみることにした。最近、たくさんの災害のことを書いた本の中からこの本を借りて読んでみた。阪神大震災トイレパニック-神戸市環境局・ボランティアの奮戦記 著者: 日経大阪PR企画出版部 出版社: 東方出版 阪神大震災後、神戸市内の避難所へ避難した約22万人がわずかな数のトイレに殺到。トイレはたちまち機能不全、所構わず・・・。自然の欲求とはいえあまりの深刻な現状が文面から赤裸々に明らかに。ここには書けない様なすさまじい有様が現実にあったということをどうかこの本を読んで知って欲しい。たとえ震災後、幸いに生き残っても、あらゆる困難が待ち受けている。その中でも待ったなしの生理現象である排泄行為。これが実は最も身近なストレスになるということはあまり知られていない。自宅はおろか公衆トイレや避難場所のトイレさえも断水で使えないとしたら一体どういうことになるのか?震災直後、普段気にする事も無くやり過ごしてきた行為が目を背けたくなるような光景となってそこかしこで発生する・・・。おぞましい2次災害、これがトイレパニックである。公道が壊れたうえに渋滞が発生し配給物資の運搬もままならずしばらく経ってからようやく設置された仮設トイレ。それすらも圧倒的に数が不足し不便で使いづらく、プライバシーも無く、避難者は日増しにストレスが増大してゆく・・・。震災後、ようやく通水が始まったということで非難場所から自宅へ戻ってみても一戸建てやマンションなど建物の排水管が壊れていたり、下水処理場が破壊され復旧するのに時間がかかったりしてかなりの人が自宅でトイレを使用できない状況が発生する。読めば読むほどに、うーん参ったな~水があってもなくても・・・状況次第ではかなりヤバイぞこれは・・・!トイレばかりは一番精神的に参りそうなので、十分に用意するに越した事はないと思う。季節によっては臭気によるハエの発生により感染症の原因にもなりかねないのでやっぱり、万が一の備えとして一家にひとつは簡易トイレはあった方が絶対に安心である。我が家もあらゆる防災サイトをゆっくりと吟味し以下のポータブルトイレを購入。足元が軽くウェーブして足のひっかかりを予防。重い方でも大丈夫、頑丈な作り。座ってみたらなかなかの安定感。ぐらぐらしない。高すぎず低すぎず御夫人や小学生のお子様にちょうど良い感じ。布製のふたも付いている。6000~6300円で購入できる。そして避難先での屋外使用という事も考えてプライベートテントも用意。これは小川キャンバルというアウトドア専門会社のテントなので少々の雨風で倒れたりすることはない。設営も小学生の子供とできるほど簡単だ。室内で立ててみたが5~6分で設営できた。トイレのない海辺のキャンプなどにも十分利用できる。夜もライトの明かりなどで外側に姿が映らないよう遮光生地を使って配慮されているし、通気もきちんと取れるように2箇所高低差をつけた窓も付いている。更に内側で閉めることも出来る上、ネットなので蚊も入らないし、中で座った状態であれば外からは中が見えにくいようになっている。安いお着替え用のワンタッチテントとは作りも配慮も格段に違う。お値段の差はこういうことかとうなずける。あとは緊急用の汚物処理用の固化剤や汚物処理袋、消毒、消臭剤など、家族の人数分を用意すればいいと思う。なるべく余裕をもって十分な量を用意する。たとえ不幸にもトイレの使用不能が長引いて凝固剤が足りなくなった場合でも、猫用の化学砂を使用して瞬時に排泄物を固めて臭いを消したり最終手段として新聞紙に吸わせてなんとかピンチを切り抜けたりすることもできる。子供達とで、室内にテントを立てて一度シュミレーションする。トイレットペーパーや汚物袋の予備はどこに設置するのか?備品(照明器具や消臭液、消毒液など)は何があればよいか?どこに取り付けられるか?使用済みの紙を入れるものは?トイレ使用中の表示は?雨の日はどうする?いろいろなアイデアがでてくる。子供達も真剣に考えてくれて頼もしい限りだ。普段からキャンプでやっていることが案外役に立つ。更にもうひとつ、これも読んで貰いたいと思う一冊がある。いきなり下の話からでちょっと気が引けるが・・・非常事態の話ということでお許し願いたい。絶版になっているらしいので大きな図書館でなら借りる事が出来る。書名: 震災下の「食」―神戸からの提言 著者: 奥田和子 出版社: NHK出版(日本放送出版協会) 甲南女子大で現代食文化を専門とする大学教授の著者による阪神大震災での食の実態レポート。自らの被災経験と共に、避難所を巡って配給食の実態を調査報告。避難所での食の実態が詳しくレポートされているのだが、著者は自宅で被災し、食料と水の備蓄が全く無かった為に震災直後から非常に苦労する。半壊した家の中を這うようにして飲み水と食べ物を探す様子が生々しく語られている。水と食べ物どちらも無くてはならないものだが、どこの家庭でも一番苦労したのは水だという。調理用水はおろか生活用水すらない状態で、飲めるものは何でも飲んだという。生活用水を探し回り、給水車がどこにいるのかも情報が無く、しばらくの間は皆が水の為に大変な苦労をしたという。避難所の食料事情はこの本を読んでもらえればわかるのだがそれは又の機会にゆずる。都会に住む者として普段から惜しげもなくふんだんに水道水を使っているものとして本当に身のつまされる話である。では、それを踏まえて、家族分の大量の水の確保をどうするか?とりあえず(一日1人最低口にする水分2リットルとして)60リットルは飲料水や調理用水として4人家族がなんとか節約して一週間は持ちこたえられるかどうかというラインだ・・・。いや季節次第ではもっと必要かもしれない。とにかく最低限の飲料水、調理水として60リットルを腐敗しないように用意することにした。その他に予備としてペットボトル飲料水1.5リットル(家で保存)を12本(計18リットル)500ミリリットル(避難場所へ持ち出し用)をリュックとともに6本用意。(計3リットル)これだけあれば生活用水は別にして一週間は十分に持ちこたえられると思う。水をどれだけ使わないで生活するかは経験豊かな主婦のアイデア次第だ。光触媒で水の腐敗を防ぐタンク20リットルタイプを2個購入。(10リットルと20リットルタイプあり。2400~2900円程度)これは中に入れた水が光触媒によって殺菌され腐敗しないという商品だ。3年間は水を入れ替えないで大丈夫らしい。こういう商品があれば本当に助かる。持ち運びを考えている人は10リットルタイプがおすすめだ。高層マンションなどにお住まいの方は特に慎重に選んで欲しい。ポリタンクは重量があるし、公道の復旧が遅れた場合は車で運べないことも多く、カートや自転車などを考慮して選んだ方が良いかもしれない・・・。不足分は我が家の普通の20リットルのキャンプ用タンクにこの光触媒カプセルを4個入れて腐敗防止をすることに。(2個入りで約千円)これ一個さえあれば、5リットルの水が3年腐敗しないというのだから驚きである。一日3時間ほど光(太陽光でも蛍光灯でもよい)を当てればいいらしい。我が家は部屋がせまいのでベランダのコンテナーの蓋を開けてそこへ3つのタンクを入れて保管する事にした。当分はこれでトイレと水の心配は解消か?あとは非常食。なるべく水を使わないものを常備すること。その他には、持ち出し用ミニバーナーやコンパクトな鍋や簡易食器などいろいろだ。これは、又の機会にしようと思う。災害は忘れた頃になんとやらです・・・皆々様もどうかご準備を怠り無く~~~~えっ?そんなこともうしっかりやってる?やってなかったのは私だけ・・・?ははは・・・・汗