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テーマ:節電対策(72)
カテゴリ:世界の中の日本
今日の帯広は、普通というか、爽やかながら気温も27度ぐらいまであがって、暖かい1日でした。
さて、世論に逆行する題名ですが、私は、いろいろな面を考えると、原発は動かさざるを得ないし、止めることによる弊害の方がはるかに危険な側面があると思っています。 元々、エナジー密度の大きなものが安全なはずはないのです。 たとえれば、自転車よりも自動車、自動車よりも飛行機が危険なのと同じで、火力発電よりも原子力発電が危険なことは自明の理です。 ただ、確率論を持ち出せば、飛行機が自転車よりも安全なことと同じく、原子力発電は他の発電よりもむしろ安全であり、危険とは言えないのです。 飛行機と同じで、単に、事故が起こったら影響が大きいというだけで。 それから、資源のことを考えると、化学工業の原料として活用できる、原油やLNGを発電に浪費することも疑問です。 ウランからものは作れませんが、原油やLNGからはものが作れるのです。 そして、経団連が懸念する一番の理由でもありますが、日本の原発を止めたら、電力料金が2倍に高騰するだけでなく、物作りのための電力そのものが不足することです。 現代の製造業、完全に電力に依存しています。 電力が無ければ、太陽電池も作れませんし、風力発電機だって作れません。 太陽電池の原料となるシリコン素子は、ある意味電気の塊です。 作るために使う電気は半端じゃありません。 決して半永久的に使えるものでもありません。 トータルの消費電気と発電量を考えると、太陽光発電は再生可能エナジーと言ってよいものなのやら、私は疑問に思っています。 それ以上の懸念は、雇用の喪失です。 民主党は、子ども手当でも同様の愚を行ってきたのですが、手当のために公共事業を減らしたことは、少なくとも数万人の雇用の場を奪いました。 今回、浜岡原発を停止しただけで、数千人の雇用を失ったと言われていますが、電力そのものがなくなれば、下手すると数百万、数千万単位の雇用を失いかねないのです。 また、もし今夏、昨年以上の猛暑になれば、熱中症で死ぬ人も続出するでしょう。 今現在、原発の放射線で死んだ人はいません。 原発を止めて、死者を出すことと、どっちが正しいことなのでしょうか。 確かに原発は危険な側面があります。 しかし、今電力をなくすことによる弊害と、どちらを選択すべきなのでしょう。 ドイツ、イタリア、スイスは、原発反対の立場を明確にしましたが、不足する電力は、フランスから買っています。 つまり、自国で発電するのは嫌だが、フランスの原発の電力は喜んで買っているわけで、偽善者としかいいようがありません。 製造業は、電力がなくなれば、否応なく海外に出て行かざるを得ません。 それでなくとも、円高もあり、海外進出、いや、雇用の海外流出は続いているのです。 メイド・イン・ジャパンは、今や世界一の品質の代名詞でもあるのです。 それをなくすことが、日本にとってどれだけの痛手になるのか、そのことも考えるべきだと思います。 また、原発を止めても、核燃料は残っています。 未使用の核燃料は、使用済み核燃料よりも遙かに大きなエナジー密度を持っています。 ですから、その危険性には変わりは無いわけで、安全対策を施しつつ現在保有している核燃料は使い切ってしまう方が、むしろ安全なのではないかとも思っています。 放射線については、安全性が確認できていないのと同様、危険性についても明確ではありません。 どこまでが危険なのか、よくわかっていないのが実態で、自然界にも存在する以上、全くのゼロはあり得ないのですから、少々騒ぎすぎだと思います。 福島第一の避難地域であっても、那須や東京よりも放射線数値が低く、避難の必要がないところも多いので、私は全村避難村に防護服も着ず、マスクもせず、猫救出に行って来ました。 単純に距離から定めたから、避難せざるを得なくなってしまった市町村も多いのです。 不幸なことに、日本は、広島、長崎の被爆体験があります。 しかし、その広島、長崎に人は住み続けました。 知られていなかったとは言え、福島原発の近くどころではなく危険な地域に。 その時にも、原爆症になった人と、ならなかった人がいるわけで、何がその運命を分けたのか、それらの経験も踏まえて判断すべきではないでしょうか。 参考までに紹介しますと、長崎の爆心地近くの病院で、ワカメの味噌汁を食べていた人々は原爆症にならなかったという記録が残っています。 ちなみに、終戦後いち早く広島、長崎に乗り込んで原爆の影響を研究し、冷戦時に核戦争も想定したアメリカ政府が暫定で公表していた安全数値は、1時間あたり50ミリシーベルト以下でした。(我が家のガイガーカウンターの説明書(英文)に、そう記されています。) 影響が明確でないから、厳しめにしておこうというのが、現在の基準なのですが、マイクロシーベルトの数値で騒いでいる現状とは千倍以上もの開きがあるわけで、そりゃ、少ないに超したことはないのですが、いたずらに社会不安をあおることとどっちが大切か、その辺も判断のしどころではないでしょうか。 まずは、雇用の確保と、産業の活力と、快適な暮らしと、そして、弱者の命を守るために、原発は動かしましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ちと気になる表現があったのでコメントします。人類が最初に放射線を研究しだしたころ、浴びてはいけない放射線の単位は「肌が赤くなる程度」でした。終戦直後は無知だっただけであり、それを引き合いに出すのはどうかと思います。私と違った意見の方の文章、大変興味深く読ませていただきました。また来ます。
(Jul 2, 2011 08:29:46 PM)
ライダー勇さん
私が紹介した基準ですが、終戦直後ではなく、スリーマイル島事故後の1981年のアメリカの国内基準です。 したがって、既に核実験後の後遺症についても知られていましたし、決して無知だったわけではありません。 現在の基準数値についても、実際はそれでどのような影響が出るのか、わからない暫定数値であり、安全とも危険とも言えないのが正しいと考えるべきでしょうが。 (Jul 2, 2011 11:06:19 PM)
大変失礼しました。1981年の暫定基準でしたか。ただ、安全か危険かわからない、というのも微妙なところですがね。最新の研究では、低線量被曝が長期間続く事の危険性が叫ばれております。チェルノブイリの被曝調査から出てきたものなのですが、結局このような被害者が出ないと研究が進まないジレンマを抱えておりますね。日本でも大量に被害者が出ておるようなので、今後研究が進むと思いますけど。
現在の日本の基準=年間20ミリシーベルトというのはあまりにも危険な数字(ベラルーシは年間5ミリで強制退去)なので、今後10~20年で恐ろしいデータとなって上がってくると思いますよ。 核実験や原爆被爆者の研究ではありえなかった原発被害者のデータ、見れば見るほど原発には否定的な考えしか出てきません。ましてや政府や電事連、経産省などは国民に嘘をついていたわけですし。 (Jul 4, 2011 09:01:53 PM)
事故前でも、年間1ミリシーベルトは観測されていたのですから、20ミリシーベルトが高いとは言えないと思います。
詳しくは、以下の放射線医学総合研究所のホームページを参照してもらえばわかりますが、100ミリシーベルト未満の数値についてはあくまでその可能性があると考えようとの仮定でしかなく、根拠が無いのが実態なのです。 避難した者に被曝した人は一人もいないのに、避難者を差別したり、置き去りにしたペットから被曝するのではないかとの誤った認識を持っている人もいますが、感情的に騒ぐことなく、冷静に考えるべきだと思います。 http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i13 (Jul 5, 2011 01:44:53 PM)
ここを読めばそんな悠長な事は言ってられないと思いますが。 http://ameblo.jp/noukanomuko/entry-10926646707.html 農家だけの問題じゃないです。自然界の放射線と原発の放射能は根本的に違いますよ。内部被曝するのですからね。
臭いものには蓋をする、と言うのが原発推進論者の行動パターンのようですが、 http://www.youtube.com/watch?v=0rFYHpmta_0 ここいらあたりを見ると、原発事故は絶対に起こしてはいけなかったことがわかります。私は4歳と0歳の子が居ます。毎日何を食べさせたら良いか悩みまくってます。この動画のような思いをさせたくないですから。原発が安全じゃなかった事に加えて、食物の汚染度の検査がめちゃくちゃにいい加減な事が事態を最悪の方向へ持っていっています。 あなたにお子さんが居るかどうかは知らないですが、事故が起こると真っ先に不幸な目にあうのは子供です。先日も普通のコンビニに売られている牛乳が汚染されていましたし(1Lあたりセシウム160ベクレル)。たとえ仮定でも危険の可能性があるものは排除すべきなのではないでしょうか?仮定であるということは、まだ研究がなされていないわけですし。薬だって市販する前は念入りな臨床検査をするでしょ?原発はまだその前の段階なわけなので、そもそも許可する事自体間違いだったのでは?しかも絶対事故は起きない、安全だとウソまでついてね。 どうか、リンクをつけたブログと動画を見て、果たして原発稼動を推奨する事が正義なのか、じっくり考えてください。ここで議論してもしょうがないので、コメントはこの辺にしときます。貴殿のご多幸をお祈りいたします。 (Jul 6, 2011 09:15:18 PM)
すみませんもう一言だけ。
放射線医学総合研究所って、「原発は絶対安全」って言ってた人たちの集まりだったと思います。放射線の影響を過小評価している(御用学者?)可能性もありますので、信じきるのはどうか、と思います。あくまで個人的な意見ですので参考まで。 ちなみに、癌死のリスクが1%増える、とかあったような気がしましたが、例えば福島市の29万人の1%は何人なのでしょうか。その人たちの人権は? (Jul 6, 2011 09:26:26 PM)
私は、原発が安全と言っているわけではありません。
現実と生活のために、動かした方がよいと言っているだけです。 私自身、40年前には核融合のメカニズムや、仁科博士率いるチームが原爆製造を行っていた(彼は否定的でしたが)ことを既に知っていましたし、大学までは科学者として研究に携わっており、科学的裏付けで判断しただけなのです。 今の日本の世論は、感情論に過ぎません。 代替エナジーは、正直現実的でないのです。 原発止めて、そのエナジーを不安定な上に巨額の資金を要する太陽光や風力でまかなえるとするのは、暴論です。 生活を、現実を無視し、科学的裏付けのない危険について煽るだけでは、何も進歩しません。 原発は、安全策を講じて動かす、それしかないと判断しているだけです。 また、科学的裏付けをもって数値を発表しているのは、放射線医学総合研究所だけです。 反論するなら、科学的根拠を示すべきです。 (Jul 7, 2011 07:51:17 AM) |
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