原発を動かそう
今日の帯広は、普通というか、爽やかながら気温も27度ぐらいまであがって、暖かい1日でした。さて、世論に逆行する題名ですが、私は、いろいろな面を考えると、原発は動かさざるを得ないし、止めることによる弊害の方がはるかに危険な側面があると思っています。元々、エナジー密度の大きなものが安全なはずはないのです。たとえれば、自転車よりも自動車、自動車よりも飛行機が危険なのと同じで、火力発電よりも原子力発電が危険なことは自明の理です。ただ、確率論を持ち出せば、飛行機が自転車よりも安全なことと同じく、原子力発電は他の発電よりもむしろ安全であり、危険とは言えないのです。飛行機と同じで、単に、事故が起こったら影響が大きいというだけで。それから、資源のことを考えると、化学工業の原料として活用できる、原油やLNGを発電に浪費することも疑問です。ウランからものは作れませんが、原油やLNGからはものが作れるのです。そして、経団連が懸念する一番の理由でもありますが、日本の原発を止めたら、電力料金が2倍に高騰するだけでなく、物作りのための電力そのものが不足することです。現代の製造業、完全に電力に依存しています。電力が無ければ、太陽電池も作れませんし、風力発電機だって作れません。太陽電池の原料となるシリコン素子は、ある意味電気の塊です。作るために使う電気は半端じゃありません。決して半永久的に使えるものでもありません。トータルの消費電気と発電量を考えると、太陽光発電は再生可能エナジーと言ってよいものなのやら、私は疑問に思っています。それ以上の懸念は、雇用の喪失です。民主党は、子ども手当でも同様の愚を行ってきたのですが、手当のために公共事業を減らしたことは、少なくとも数万人の雇用の場を奪いました。今回、浜岡原発を停止しただけで、数千人の雇用を失ったと言われていますが、電力そのものがなくなれば、下手すると数百万、数千万単位の雇用を失いかねないのです。また、もし今夏、昨年以上の猛暑になれば、熱中症で死ぬ人も続出するでしょう。今現在、原発の放射線で死んだ人はいません。原発を止めて、死者を出すことと、どっちが正しいことなのでしょうか。確かに原発は危険な側面があります。しかし、今電力をなくすことによる弊害と、どちらを選択すべきなのでしょう。ドイツ、イタリア、スイスは、原発反対の立場を明確にしましたが、不足する電力は、フランスから買っています。つまり、自国で発電するのは嫌だが、フランスの原発の電力は喜んで買っているわけで、偽善者としかいいようがありません。製造業は、電力がなくなれば、否応なく海外に出て行かざるを得ません。それでなくとも、円高もあり、海外進出、いや、雇用の海外流出は続いているのです。メイド・イン・ジャパンは、今や世界一の品質の代名詞でもあるのです。それをなくすことが、日本にとってどれだけの痛手になるのか、そのことも考えるべきだと思います。また、原発を止めても、核燃料は残っています。未使用の核燃料は、使用済み核燃料よりも遙かに大きなエナジー密度を持っています。ですから、その危険性には変わりは無いわけで、安全対策を施しつつ現在保有している核燃料は使い切ってしまう方が、むしろ安全なのではないかとも思っています。放射線については、安全性が確認できていないのと同様、危険性についても明確ではありません。どこまでが危険なのか、よくわかっていないのが実態で、自然界にも存在する以上、全くのゼロはあり得ないのですから、少々騒ぎすぎだと思います。福島第一の避難地域であっても、那須や東京よりも放射線数値が低く、避難の必要がないところも多いので、私は全村避難村に防護服も着ず、マスクもせず、猫救出に行って来ました。単純に距離から定めたから、避難せざるを得なくなってしまった市町村も多いのです。不幸なことに、日本は、広島、長崎の被爆体験があります。しかし、その広島、長崎に人は住み続けました。知られていなかったとは言え、福島原発の近くどころではなく危険な地域に。その時にも、原爆症になった人と、ならなかった人がいるわけで、何がその運命を分けたのか、それらの経験も踏まえて判断すべきではないでしょうか。参考までに紹介しますと、長崎の爆心地近くの病院で、ワカメの味噌汁を食べていた人々は原爆症にならなかったという記録が残っています。ちなみに、終戦後いち早く広島、長崎に乗り込んで原爆の影響を研究し、冷戦時に核戦争も想定したアメリカ政府が暫定で公表していた安全数値は、1時間あたり50ミリシーベルト以下でした。(我が家のガイガーカウンターの説明書(英文)に、そう記されています。)影響が明確でないから、厳しめにしておこうというのが、現在の基準なのですが、マイクロシーベルトの数値で騒いでいる現状とは千倍以上もの開きがあるわけで、そりゃ、少ないに超したことはないのですが、いたずらに社会不安をあおることとどっちが大切か、その辺も判断のしどころではないでしょうか。まずは、雇用の確保と、産業の活力と、快適な暮らしと、そして、弱者の命を守るために、原発は動かしましょう。