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CNおばさんの本と映画と猫と雑記

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2019年08月10日
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カテゴリ:畠山健二
畠山 健二

 「本所おけら長屋 十三」

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本日到着最新巻。

4つの笑いあり涙ありの人情物語。

・・・・・・・・・・・・・・

1.とりもち

万蔵の喧嘩友達で幼馴染みの栄太郎の婚活物語。

おせっかいご近所さんの勧めにより、

今で言うところの結婚相談所にて結婚相手とお見合いを繰り返す栄太郎。

若く器量が良い相手からことごとく断られる栄太郎。

相談所のお圭さんから

「次の人はあんたにとって最高に相性の良い人」

と言われ期待してお見合いの蕎麦屋で会います。

ところが実際に会った女性は、

年上で、男の子のいる地味な女性お夕でした。

ほどなくお夕の方から断りが入ります。

自分のような年上の子持ちで申し訳なかった。

自分は亭主を亡くして働きながら何とか暮らしているが、

朝太が可哀想で父親になってくれる人を探していた。

栄太郎のように若い年下の人がお見合い相手とは知らなかった。

栄太郎には普通に若い人と縁があるはず。

この話はなかった事にして欲しい・・・

しかし、栄太郎はどんな女性よりあの母子の事が忘れられなくなります。

朝太との触れ合いにより、

自分に父親として亭主としてやって行けるか・・・

一人でいる事が寂しい・・・

そんな栄太郎の思いを、

おけら長屋の喧嘩友達である万造が陰になり援護します。

栄太郎とお夕・朝太は家族として結ばれるのか・・・

男の子朝太の寂しい思いが、

栄太郎に巡り合ってから子供らしく活き活きと描かれています。

いつもいじめられ喧嘩をしても負ける朝太に向かって栄太郎が言います。

「喧嘩なんてえのは勝っても負けてもいいんでえ。

逃げなけりゃよ。

逃げることを覚えちまうと、

どんなことからも逃げるようになっちまうからよ。」


・・・・・・・・・・・・・・

2.よみうり

読売の青年の悲しい復讐。

新聞記者として生計を立てている春助。

大店のゴシップも暴き面白おかしく書いては売って、

江戸庶民の噂のタネにしていました。

春助が大店に対してゴシップを暴くわけは、

幼かった頃に関係していました・・・


ある日、大店の嫁の弟伊予吉が人を刺して遠島の刑になっていたことを

読売に書きます。

そのことにより大店の嫁は自責の念にかられ

身投げして自殺してしまいます・・・

その日から春助は世間の人から非難されるようになります。

おり悪く自殺した嫁の弟伊予吉が遠島からご赦免により江戸に戻っており、

姉の自殺を知るのでした。

伊予吉は、奉公していた旅籠で暴れた客ともみあい、

刃物を出した男を誤って腕を刺してしまったのでした。


春助が読売に書かなければ姉は自殺しなかった・・・

それから伊予吉は春助を狙うようになるのですが、

おけら長屋の面々により

「読売」を逆手にとって世間からも称賛される解決策を講じます。

春助・伊予吉の「未来ある明日」の為に動くおけら長屋の面々の活躍が痛快です!

・・・・・・・・・・・・・・・・

3.おいらく

おけら長屋の大家徳兵衛と、

住人の隠居与兵衛と大店の宋右衛門。

年寄り三人が繰り出した岡場所での悲喜こもごもを描いています。

それぞれの若かりし頃の思い出を、

これから先の日々に照らし合わせもう一度若い頃に戻り楽しもうとします。

高級料理屋兼岡場所で、

一人は30年前に夢中になった花魁との再会。

一人は娘と同じ年齢の女郎に対する慈しみ。

一人は年甲斐もなくはりきって腰もたたなくなる・・・

笑いと懐かしさと後悔とが織り交ざる年寄りと言うか

酸いも甘いも経験した大人の物語でした。

・・・・・・・・・・・・・・

4.ゆうぐれ

今回は、何と万松の松吉の生い立ちが明かされます。

松吉がどんな生まれ育ちだったか…

松吉の幼い頃も寂しく悲しいものでした。

しかし松吉を優しく守ってくれた人がいました。

今回、松吉はその優しく守ってくれた人を今度は自分が守ろうと奮闘します。

その奮闘の陰にはおけら長屋の面々、特に相棒の万蔵が力を発揮します。

そして、松吉にはもう一つステキな展開があります。

夕陽がどうして赤いか?

それはお天道様が今日あった辛い事や悲しい事を燃やしてくれる。

だから明日になったらそんな事は忘れて頑張れる。

そう教えて励ましてくれた人を松吉はどのように救うのか?

・・・・・・・・・・・・・・

今回も読後感が清々しかったです。

次回は2020年春刊行だそうです。

楽しみだなぁ(^^)





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最終更新日  2019年08月10日 09時40分14秒
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