作品移動の準備♪
空調設備の改修工事のため、来年の1月12日まで、約8ヶ月間の休館にはいったわね。長~いお休みになるわね・・。休館になるから、職員の皆さんもゆっくりとお休みできるんじゃないかな?ね、井野さん? らっきー、きんびー、それはとんでもない誤解だよ。空調の改修工事に入る準備のために、僕たち学芸員は今てんやわんわの忙しさなんだよ。えっ、そうなの!?美術作品保存のためには、温度や湿度を適切に保つ必要があるんだ。けれど、空調の改修工事だから、空調がストップするでしょう。だからその前に、約4,000点の所蔵作品を協力美術館の収蔵庫や、温湿度がきちんと管理できてセキュリティもばっちりの民間倉庫へ移動させなきゃならない。その準備で大変なんだよ。きんびーたちは中に入れないから、その様子をちょっとだけ写真で紹介するね。 井野さん、これは何してるところ?収蔵庫で、移動する作品の状態をチェックしているんだ。僕が持っているのが「状態記録表」といって、作品の状態や気をつけなければならないところなどが、細かく記されているもの。わかりやすく言うと、お医者さんの「カルテ」の「美術作品版」だね。これを見ながら、移動する作品ひとつひとつを、全部チェックしていくんだ。えっ!全部? 4,000点近く作品があるのに?移動する作品については全部行うんだよ。温度や湿度が多少変化しても、あまり影響を受けないブロンズ彫刻などは、美術館の収蔵庫に残しておくけれど、それ以外の作品は全部移動するから、3700~3800点ぐらいになるかな。もうだいぶ前から、学芸員皆で、この作業を続けているんだよ。そして学芸員のチェックが終わった作品は、美術品を取り扱う専門の作業員さんたちが、学芸員の指示に従って梱包していく。大きな作品も多いから大変な作業なんだ。 額にガラスが入っている作品は、輸送中にガラスが割れたりしないよう、また万一割れてもガラスが飛び散って作品を傷つけることがないよう、ガラス面にテープを貼る作業も行うんだ。ほんとに大変な作業なんだね。これがいつまで続くの?もう少しの間、続くんだ。でも大分作業が進んできたから、収蔵庫の中は,梱包済みの作品でいっぱいだよ。いつもは額の作品がかけてある「絵画ラック」の間も梱包された作品がぎっしりさ。 ほんと、すごーい。1点1点が、作品の大きさにあわせて特別に作られた箱に入っているんだね。この作業が全部終わったら、作品の移動作業が待っている。空調がストップする前に全ての作業を終わらせなければならないから、時間との闘いなんだ。この移動作業も本当に大変なんだ。その様子は、また今度、お知らせするね。