*モナミ* SMAP・映画・本
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『クジラの島の少女』 鯨に乗ってやってきたという伝説を信じる、ニュージーランドの、 マオリ族の族長の長男・ポランギは双子の男女を授かるが、 喜びも束の間、妻と男の子は産後すぐに命を落としてしまう。 一人生き残ったパイケアだが、女として生まれた故に、 跡取りとして祖父から認められない悲しみを抱えていた。 そしてある日、大量の傷ついた鯨が浜に漂着する。 伝統を重んじるばかりに、伝統に固執する祖父。 そして女がそれを真似ようとすることが許せない。 それを理不尽で不公平な態度とみるか、 伝統を守るために不可欠な行為だと思うか。 連綿と続いてきた先祖代々の伝統、それを絶やしたくはない。 自分の代で絶やすわけにはいかない。 しかし時代は、確実に変わってきていて。 長男であるのに、族長である祖父の期待に応えられず、 島を出て行ってしまった父。 次男であるがゆえに祖父に期待すらされず、才能を持て余し、 ただなんとなく生きている叔父。 古臭いことだと思いながら、祖父から伝統を学ぶ男の子たち。 昔のように生きることが難しくなっていると感じながらも、 どうすることもできない島の人々たち。 女として生まれてきたばかりに、祖父に認めてもらえず、 しかしそれでも、そんな祖父を尊敬する孫娘。 何度叱られても、こっそりと祖父を真似る。 自分の使命を知っているかのように。 そんな孫娘を優しく見守る祖母。 外ではあなたがリーダーでも、キッチンでは私がリーダーだと、 祖父に譲らない。 その辺はやはり、「女」という生き物の方が、柔軟なのかも。 自分の望むような後継者が見つからず、落胆する祖父へ、 島の伝統的な踊りと作文で、気持ちを伝える少女。 しかし心を開けない祖父に、なかなか届かない。 傷ついたクジラが大量に浜に打ち上げられたのも、 何かの兆しだと感じながらも、誰のせいだか分からない祖父。 分かろうとしない祖父を問い詰めることもせず、 静かにクジラに寄り添う少女。 少女に応えるかのように、ゆっくりと泳ぎだすクジラ。 瀕死のクジラが突然、少女を背に乗せて泳ぎだしたのは、 『風の谷のナウシカ』ぽくなくもないけれど、 一人の女の子、そんな力はないだろうと思われていた、 小さな女の子の勇気と行動が、祖父を、人々を変える。 それこそが島の人々が、そして祖父が求めていた、 未来を変える力を持った「預言者」でその「予言」とは、 「変化を恐れるな」ということだったのかもしれない。 それに気づかせてくれた少女を、祖父が島が受け入れた時、 新しい歴史が始まるのだろう。 海も少女の表情も清々しい、一服の清涼剤のような映画でした。 『クジラの島の少女』 著:ウィティ・イヒマエラ
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