欧州最期の独裁国家と批判されるベラルーシで大統領選挙が行われたのだが、その結果はいかにも独裁国家らしいものになっている。投票率は92.6%で、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領の得票率は82.6%だったそうだ。独裁国家でしか見られないようなこんな数字を誰も信用するはずもなく、当然のことながら大規模な不正があったことが報告されている。プーチンを見習って得票率をせめて70%くらいに抑えておけば批判を減らすこともできるのだろうが、ルカシェンコ大統領にはその余裕はないのだろう。権力の座を追われてしまえば、彼を待っているのはチャウチェスクのような最期しか無いから。
<ベラルーシ>EUは制裁強化を 強制排除事件で野党指導者
ベラルーシ当局による野党集会の強制排除事件で、野党勢力の指導者ミリンケビッチ氏は24日、記者会見し、逮捕者の釈放とEUの同国に対する制裁措置を強化するよう訴えた。野党勢力は25日午後0時半、市中心部で抗議デモ集会を開くと表明した。一方、治安当局が厳戒態勢を敷き、市民の参加に圧力を加える見込みだ。
(2006年3月25日 毎日新聞)
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野党大統領候補らを拘束=集会を実力阻止、衝突も-ベラルーシ
【モスクワ25日時事】インタファクス通信によると、ベラルーシの治安当局は25日、大統領選でのルカシェンコ大統領の当選を無効と主張して抗議集会を組織した野党大統領候補、コズリン社民党党首らを拘束した。野党の有力大統領候補、ミリンケビッチ氏の報道官も拘束されたという。市内では機動隊と野党勢力が衝突、爆発音も聞かれた。タス通信は少なくとも2人が機動隊に殴打され、負傷したと伝えた。
政権側が野党を徹底弾圧する姿勢を示したことで、ベラルーシ情勢は一気に緊迫化した。
(2006年3月26日 時事通信)
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反政府集会に武装警官、流血の事態に…ベラルーシ
【モスクワ=古本朗】ベラルーシの首都ミンスクで25日、ルカシェンコ大統領が圧勝で3選を決めた先の大統領選結果を「不正」と非難する野党派市民数千人が警官隊と衝突を繰り返し、複数の負傷者が出た。
また、野党の有力指導者1人が警察に拘束された。流血の事態を迎えたことで、緊迫は一気に高まった。
ロシアのラジオ局「エコー・モスクワ」などが現地から伝えた。
野党側は、徹夜で抗議行動を続けていたミンスク中心部の「十月広場」から24日に警官隊によって強制排除されたばかり。
欧米から「欧州最後の独裁体制」と称されるルカシェンコ政権に対する市民の抵抗は、欧米の支持表明を背景に、かつてない勢いを見せ始めた。これに対し、ルカシェンコ政権は、ロシア政府の支持を後ろ盾に、一層の強硬策も辞さない構えだ。
この日は、市民約7000人が昼から、「十月広場」で新たな反政府集会を開こうとしたが警官隊によって強制排除された。
野党側はこの後、市内の公園へ移動して数千人規模の集会を開き、親欧米派のアレクサンドル・ミリンケビッチ、社民党議長のアレクサンドル・コズリン両元野党候補が再選挙を要求する街頭行動の継続を呼びかけた。
集会後、数千人が、先の反政府集会で警察に拘束された仲間を解放しようと市内の警察施設へ向けてデモ行進を開始した。これに対し、当局は、コズリン氏を路上で拘束。警官隊がデモ隊を急襲し、追い散らした。
警官隊はゴム製棍棒や大音響を発する鎮圧用手投げ弾などを用いた。インターファクス通信は、「路上に数人の市民が横たわり、一人は頭から血を流して気絶していた」と伝えた。催涙弾が用いられた、との情報もある。
(2006年3月26日 読売新聞)
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不思議でならないのは、北朝鮮と同じような独裁を行っているルカシェンコ体制に対し、日本国内からこれを非難する声がほとんど出ないこと。日本政府が今回の選挙結果に対して出したメッセージは
外務報道官談話のみで、他の欧米各国に比べると弱すぎる。日本とベラルーシは地理的に離れており、つながりもほとんど無いせいもあるかもしれないが、マスコミの関心も低く、国民のそれに至っては皆無に近いのではないか。
一方で、同様に地理的に離れており、つながりもほとんど無い北朝鮮に対し、欧米各国は拉致問題や独裁体制を強く非難するメッセージを出している。
編集中
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