三宅島の復興を目的に今年11月の開催を予定されていた三宅島公道レースが中止されるというニュースが4月末に報道されました。
個人的には、公道レースを実現させて欲しいという思いがある反面、三宅島でのレースというのはちょっと無理があるのでは無いかと考えていましたので、このニュースを聞き「当然だろうな」という思いです。
三宅島:オートバイ公道レースを断念 安全確保難しく
100年の歴史を誇るマン島レースを手本に、観光客誘致を誘致する三宅島復興の起爆剤として考えられていた「三宅島公道オートバイレース(仮称)」ですが、ホンダ、スズキなどのメーカーやプロのライダー達から「あまりに危険過ぎる」との声を無視できなかったのが実情でしょう。
4輪自動車のレースでは、多くの公道レースも開催されていますし、F1でも新たな公道を使用したレースが計画されています。しかし、2輪では公道レースは減少しています。4輪レースではマシンの進化で安全性が高まっていますが、2輪では、ライダーの身を守るものはレーシングスーツにヘルメット、そしてコースサイドの緩衝材しか無いわけですから、安全対策が十分とれない公道レースが危険視されるのは当然です。
また、30kmにも及ぶ島内一周レースでは、事故時の救急体制も万全を期しておこなわなければなりませんが、その基盤となる医療機関が島内にはないというのも決定的でしょう。通常のサーキットでのレースであれば数分以内に医療チームが到着し、長くても数十分以内に病院に搬送されますが、三宅島ではヘリで東京・神奈川に輸送するしかありません
レースに危険はつきものだとする意見もあったようですが、危険がつきものだからこそ、その対応をきちんとしなければ悲劇が起きてしまいます。
今回の開催予算は6億余り(都が3億余り+三宅村が3億の負担)だったそうですが、どうせならもう数億円上乗せして、高水準の医療設備を三宅島に作るのも村の復興のためには良かったかも知れませんが・・・・・
また、安全性の問題が解消されたとしても、果たしてこのレースを目的にどれだけのファンや観光客が島を訪れたでしょうか・・・・。正直疑問に思わざるを得ません。
本来は村おこしが目的だったわけですが、モータースポーツファン、オートバイレースファンのどれくらいが観戦のために訪れるのか・・・・・。
近年の公道レースは、市街地から離れた場所に設営されているサーキットを、より観戦しやすいように街中でレースをおこなうというのが一つの流れになっています。そこに船で数時間かけて観戦に行こうとするファンは、よほどのレースファンでもないと・・・・
今回の三宅島での公道レースは中止になりそうですが、臨時のサーキットを作ってのレースなども検討されているようです。
モータースポーツファンとしては、三宅島復興の為にモータースポーツが注目されてことはうれしいことですし、何らかの結果を出して欲しいと思います。
また、都議会などで議論された公道レースに対する意見や知識が、今後の他の新たな公道レースの役に立つ日が来ることを祈っています。
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■参考サイト■
三宅島オートバイレース(続き) (政治をあきらめない)
三宅島オートバイレース実行委員会
『日本版マン島TTレース、その成功の鍵は?』編 (行く道は風なり、オープンくるま生活)
三宅島の公道レースについて (From Nom)