|
カテゴリ:何かヘンだぞ
先回の続きである。
この消費税総額表示の問題もようやく最近になって盛り上がりを見せてきた感じだ。 実際法案の審議・成立のあたりなど、報道でもあまり取り上げられてなかったような気がする。 最初のうちは表示方法ぐらいしか話題になってなかったように思う。 つまり総額表示のみにするか、本体価格を併記するか、 本体価格を併記するのなら大きさの比率は、順序は、等々。 ところがここへきて話題になっているのが、 一部の業種で消費税分を値引きした価格設定を行おうとしている、ということだ。 つまり例えば現在税抜き198円の商品は、支払い段階では税込で207(あるいは208)円となり、 総額表示に移行するときには当然その価格で表示されることになる。 ただそれではお客が見たときのインパクトがない、値頃感が失われる、という理由で、 「税込でも198円」という価格設定にこだわる、という流れが生まれつつあるのだ。 要はどうしても「9」とか「8」とかの数字を使いたいということだ。 その場合当然ながら小売店のマージンは減ることになる。 そこでマージンの圧縮を最小限に抑えるため店側はいろいろ考える。 内容の変更、経費の削減、仕入れの見直し、などである。 特にマージンの減少額を仕入先に補填させるという 信じ難い話まで飛び出している始末だ。 さてマージン補填の話はともかくとして、 小売店がお客の目を引くために税込価格を実質値下げすること、そのマージン減少分を埋める為にいろいろ努力すること、 これらは何も咎められるものではなく、むしろ今日の自由競争の経済においては当然だろう。 もちろんお客が207円とか208円といった価格表示に違和感を持つのも無理からぬハナシだ。 問題はマスコミの報道姿勢にある、と私は見ている。 先日たまたま点けていた某局の報道番組で、あるスーパーマーケットの密着取材の映像が流されていた。 そこでは総額表示後も元の値段で売るために、いろいろな努力をしていた。 仕入先に無理をお願いしているシーンもあった。 それはそれでよい。 問題なのはそこに出ていたあるコメンテーターの発言だ。 「今回の総額表示化に際して小売店レベルで様々な対応が見られます。消費者はこれらの対応を通してそれぞれの店を良く見極めるべきですね」ときた。 ちょっと待ってよ!それって聞きようによっては、 「従来の価格にただ消費税額を乗っけただけの表示をしている店はケシカラン」といってるようなもんだ。 もちろん努力している店がエライのは認めるけど、それ以外の店が罪悪的だと思わせるのは、 ひいては「消費税総額表示によって価格が値上がりした錯覚を受ける」という消費者意識を助長することにならないだろうか? いみじくも1ヵ月ほど前にあるラジオの番組で、こんな会話が流れていた。 A「消費税の総額表示が実施されたら、98円!とか198円!という特売がなくなっちゃうかもしれません」 B「え~!それは困りますねエ」 冷静に考えてみると、何も困らないのだ。 98円特売のときも今まではちゃんと102円もしくは103円払っていたのだから。 マスコミがこんな調子では本当に困るのだ。 とりあえず私の店では今のところ、4月1日以降は消費税をただ乗っけただけの内税価格ですべて表示するつもりで、 一部の商品を除いては消費税分の値下げなどの策はとらないつもりだ。 われわれも値下げの努力を忘れているわけではない。 ただわれわれのような中小の酒店のマージン率は実際驚くほど低いのが現実で、 そこからさらに削ろうとするのは死活問題だ。 大スーパーのようにメーカーや仕入先へ値引き要請をして応じてもらえることもままならぬ状態では致し方ない。 でも「そのまま」が普通なのである。 今マスコミがやらなければいけないこと、それは何か? すみません、時間がないのでこの続きはまた次回! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
遅くまで、お疲れさんです。
日記継続されてますね。 高柳全孝@((( ^_^)且~~ ささ、お茶でも!さんからも、書き込まれていますし、すごい。 継続していきましょう。 (2004年03月23日 07時31分32秒)
ITおやじ岩崎さんのお知り合いでしたか。
岩崎さん、とは面識はありませんが早くからリンク頂き、HPを拝見したり、先日は竹田先生の講演CDを分けて頂いたりしています。 今後ともよろしくお願いします。 (2004年03月23日 09時35分21秒) |