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テーマ:酒類業界の打ち明け話(24)
カテゴリ:業界ネタ
『サッポロラガービール』の缶入りが入荷してきた。
これは「現存する日本最古のビールブランド」だが、 現在はごく一部の業務用需要に応じて、わずかに瓶で流通しているのみだ (ちなみにコレを扱っている飲食店は、私に言わせればかなりの「ツウ」だ)。 その『サッポロラガービール』の缶入りが、限定生産で発売されたのだ。 個人的には嬉しいことなのだが、 この数ヶ月前に既に、「コンビニ限定」というカタチで市場には出ており、 そのことが私の嬉しさを半減させている。 ただ今回はまだいい方だ。 もう少し前に同じくサッポロビールから限定発売された『焙煎』、 コレも10数年前に発売されたものの復刻版だが、 コレなどは完全に「コンビニ限定」のまま終わってしまった。 他社の商品の中にも、「コンビニ限定」というものは多く存在し、 そのたびに私などは悔しい思いを噛み締めることになる。 コレが特定コンビニとメーカーとの「共同開発」という性質のものなら、まだ仕方ないと納得はいく。 しかしごくごく普通の商品、しかも自分が惚れこんでいる商品でそのような扱いがなされるのは、 いかにも歯がゆいものを感じざるを得ない。 もっともメーカーがそのような手法を採る理由もよく分かる。 ここから先は私の推測だが、それほど間違ってはいないと思う。 コンビニでは「一斉配下」が基本で、「生産本数=コンビニの軒数×配下本数」ということになるから、 生産・販売計画などが非常に立て易い。 しかし一般酒販店相手だと、何軒の店からどの程度の数の注文が上がってくるか、皆目見当がつかない。 いきおい生産計画も「見切り」のようなカタチになるから、 いざフタを開けたら、大幅に余ったり全然足りなかったり、といったリスクが生じる可能性が高い。 そういう理由から、メーカーは「コンビニ限定」にしたがるのだろうと思う。 確かに我々もメーカーの新商品などに関して、常に「是々非々」の立場で対応しているから、 メーカーにとっては把握しづらいということはあるだろう。 それは分かるが、かといってこのままでは、ただでさえお客さんの意識の中で開きつつある 「コンビニ vs 一般酒販店」の落差が、拡大しかねない。 一般酒販店だけは受注締め期日を早める、など妥協策はいくらでもありそうだから、 何とか等しく扱えるように検討して欲しいものだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年09月11日 19時02分35秒
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