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2005/06/21
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カテゴリ:政治&時事放談
山口県の光高校では、いじめの復讐で高2生が教室に爆弾を投げるという、まるでパレスチナみたいな物騒な事件があった。

2chを見ていると、加害者「爆弾高校生」の味方は結構多く、あるスレには

「おとなしい人を舐めるな。口には出さんが、憎しみは溜まっているのだ」

という印象的な発言があったりした。
私はこの言葉に、大いに共感した。

無口でおとなしい人間が、周囲から抑圧され怒りを溜め忍耐が限度を超えて、突然キレて爆発的な復讐をするストーリーを日本人は好む。
私も好む。
今回の爆弾高校生事件も、そんな日本人が大好きな復讐譚の典型なのだろう。

私は昭和30年代後半から40年代前半にかけての、東映ヤクザ映画のファンだ。
ヤクザ映画ファンの私は、どうしても今回の爆弾高校生の事件と東映任侠映画を重ね合わせてしまう。

寡黙で任侠道に篤い鶴田浩二や高倉健が、親分や先輩ヤクザから理不尽な扱いを受けて、屈辱に耐えに耐える。
そして最後に主人公はブチ切れ親分の家に乗り込み、ドスや日本刀で自分をないがしろにした親分を殺す。
端正な日本家屋は戦場と化し、襖は破壊され畳はめくり上げられ、白い障子は鮮血で染まる。

ラストでは、事を成した鶴田浩二や高倉健が虚脱した眼をして、死体がゴロゴロ転がる凄惨で静寂な部屋で独り立ち尽くし、血に染まった日本刀をポトリと畳の上に落とす。
そこへ真っ赤な墨字体の「終」のエンドマーク。
東映やくざ映画のストーリーは、たいていこんなものだ。

ああ、ヤクザ映画はしびれるね!

主人公に思いっきり感情移入した私は、主人公が敵の家に乗り込むと、テレビの前に身を乗り出し「やれ!いけ!」と興奮状態になる。特に敵役が憎憎しい成田三樹夫だったら、ブラウン管をパンパン叩く。

寡黙で誠実な主人公が映画の中で怒りを爆発させ、暴力で敵の命を奪い自分の人生をも奪う、破滅のカタルシスに私は大いに酔い、日ごろの鬱憤を晴らす。
東映任侠路線映画は、私のようにストレスが堆積岩のように溜まっている人間には、一服の清涼剤だ(こわいな俺って(笑))

私を爽快にさせるのは東映ヤクザ映画だけではない。
悪人に虐げられた弱者から、金をもらって悪人を殺す「必殺シリーズ」も大好きだ。藤田まことの中村主水、山崎努の念仏の鉄、緒形拳の藤枝梅安なんかメチャ格好いい。「必殺シリーズ」は復讐物の大傑作だ。
私は怒りで堪忍袋の緒が切れそうになると、必殺のテーマが頭に鳴り響く。

復讐ものならもちろん「忠臣蔵」を忘れてはならない。
「忠臣蔵」は題名を聞くだけで、浅野内匠頭の無念と、大石内蔵助の義侠心に涙が出そうになる。
最近は忠臣蔵もいろいろと解釈され、吉良上野介も善人扱いされているが、吉良は絶対に悪役でなければならない。吉良が悪役じゃない「忠臣蔵」は面白くない。ダース・ベイダーが善玉に解釈された「スター・ウォーズ」を想像してみよ。
吉良役は何が何でも、伊丹十三や西村晃みたいな悪人役が上手い役者が演じなければならない。

さて、2chで見つけた言葉を、もう一回書いておこう

「おとなしい人を舐めるな。口には出さんが、憎しみは溜まっているのだ」

寡黙で日常の抑圧に耐えている人が数多くいるからこそ、東映ヤクザ映画や、必殺シリーズ・忠臣蔵は国民的人気を得てきた。
無口で屈辱に耐えていた人が、饒舌で無神経で過干渉な人間を前に感情を爆発させ、リベンジを果たす瞬間は、この上ない快楽をもたらす。

あの無口な貴乃花の最近の饒舌ぶりも、爆弾高校生の行為とある種気脈が通じている。今まで寡黙だった貴乃花の突然の饒舌大爆発は私を唖然とさせたが、反面強い説得力とカタルシスを感じさせた。

ただ、私は貴乃花の行為には喝采を浴びせるが、爆弾高校生を支持するかといえば絶対にそうではない。
一種のファンタジーであるヤクザ映画と、実際の事件はまるきり違う。
その辺のことは、また次の機会に。





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Last updated  2005/06/22 09:22:58 PM
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