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カテゴリ:塾の日常風景
入試問題には「良問」が多い。
ではいったい「良問」とはどんな問題か。 「良問」とは「難問」のことをいう。 高校受験に話をしぼると、公立高校や難関校の問題はパターン化した問題は出てこない。問題を目にした瞬間子供がちょっと戸惑うような、考えさせられる問題が多い。 相撲にたとえれば一直線の押しで土俵下に相手をド~ンと突き落とすような、解いて爽快感のある問題は少ない。懐の深いぐにゃぐにゃした力士に、がっぷりの四つ相撲で力を吸い取られそうになるような問題である。 というわけなので、入学試験が終わった後、受験生達は完全にすっきりした感じにはならない。 私「できた?」 生徒「う~ん?」 ただ私達塾講師が見ると、公立高校の問題は非常によくできている。どの科目にせよその教科が好きで、知識を吸収するのが楽しい子が高い得点を取れるような問題になっている。一夜漬けや、付け焼刃の対策が木っ端微塵に粉砕される問題である。 入試にはそんな、真面目に学校の勉強だけやっている子、或いは塾のテキストばかり生真面目に解いている子にとっては、「見たこともない、変な問題」が出題される。「見たこともない、変な問題」というのは、見方を変えれば、出題者が長い時間かけて練った「良問」ということになる。 よく公立高校の問題が新聞に掲載される時、高校や塾の先生が執筆した、問題に関するコメントが載っているが、そこには「よく練られた良問」というコメントがしばしば見受けられる。しかし「良問」というのは、いかに深い能力を子供が持っているか、たちまちのうちに試してしまう問題であって。中途半端な力しか持っていなければ、力のなさが洗いざらい暴露されるのだ。 だから私が新聞のコメントで「良問」と言う文字を見ると、「この問題、やっぱり難しかったんだ」という感想をもつ。「良問」=力不足の子を落とすための問題、というイメージが強い。 ところで良問対策はいかにすべきか。 学校で履修する内容は、どんどん薄っぺらになる。 それに反比例して入試問題は「良問」が増える。 この格差をどう埋めるか? 誰が埋めるか? もうこれは、塾に通うしかないでしょう(笑) ただ、暗記重視型の、厳しい宿題管理を売り物にした、旧態依然たる塾は淘汰される。いかに深い知識を自然な形で子供の頭に浸み込ませるか、そのあたりが塾で試される。 「良問」は、その子が持っている本来の能力を残酷なまでに試す。ということは塾の講師のアタマも同時に試されているわけである。 さて、うちの塾も英語・数学は中学履修分野はすべて終了した。関係代名詞も三平方の定理もやった。あとは「電話帳」と呼ばれる旺文社の全国入試問題を中3に買わせて、とりあえず全国47都道府県の問題を全部制覇してもらう予定。 (ちなみに入試問題を見れば、入試問題を作る学校の「知的水準」がわかる。他高校の入試問題の真似や、重箱の隅をつつくような知識を要求する問題を出すような高校には、安心して生徒を送り出せない たとえばうちの近くの私立高校は以前社会に「南極の昭和基地の位置はどこなのか?」という問題が出ていた。南極の地図があって、昭和基地の位置をア~オの中からを選びなさいという問題。そんなもの知らねえよ。典型的な「悪問」である) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/11/25 08:55:00 PM
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