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2006/03/27
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カテゴリ:まじめな教育論
いじめの復讐の鉄則は、等価交換である。
言われたら言い返す、蹴られたら蹴る、殴られたら殴る。
いじめられっ子は、いじめっ子から得た苦痛と同じ痛みを返してやればばいい。

ハンムラビ法典は「目には目を、歯には歯を」という復讐法で有名だが、同時にハンムラビ法典は、刑罰の等価交換を示している。

目を潰されたら、相手の目を潰す以上の復讐はしない。
自分が加えられた危害と、犯人が受ける刑罰は等価でなければならない。

ハンムラビ法典は被害を超える痛みを与える復讐を禁じている。ハンムラビ法典が「目には命を、歯にも命を」という法ではないことに注意して欲しい。

だから、ハンムラビ法典に照らし合わせるなら、いじめられっ子がナイフでいじめっ子を刺し殺害したら、それは明らかに過剰な復讐で、等価交換の原則に大いに反する。

もし誰かにいじめられた子が学校に爆弾を投げ、死者が多数出たら、それは1対10万ぐらいの巨額の暴利で復讐したことになる。



さて、少年事件が発生すれば必ず、子供の「想像力の欠如」を指摘する声が必ずあがる。
もし、爆弾を教室に投げたり、ナイフで同級生を突き刺したりしたら、同級生は死んで自分は少年院に入れられ、一生日陰者の暮らしをしなければならない。
事件後には100%、そんな事態が招来するという想像力を加害者が持っていれば、人殺しなんかする必要はない、と多くの人は考える。

しかし、大多数の少年事件は、「想像力の欠如」が原因では決してなく、逆に加害者の「あふれんばかりの強い想像力」が引き起こす。

いじめられっ子たちは爆弾を投げナイフで人を突き刺したら、いったいどんな騒動になるか、自分が今後どんな人生を送らざるを得ないか、認識しすぎるほど認識していた。
しかしプライドの高いいじめられっ子にとって、自分の将来が破滅する恐怖よりも、いじめの首謀者に対する怒りのほうが遥かに強い。

百回殺しても飽き足らぬほど憎い奴の身体が爆弾やナイフで痛みを感じ、子供のように泣き叫びながら、
「いじめてごめんなさい、許して、おかあさ~ん、痛いよお」
と血と涙で身体がグショグショになりながら死んでゆく至高の瞬間の到来を夢見て、いじめられっ子は犯行に及ぶ。

自分の長い人生が破滅することより、憎い奴を殺す甘美な一瞬を選ぶ。
想像力の欠如なんてとんでもない。加害者は想像力に陶酔する。

そんな加害者達は、事件後、絶対に反省の色を見せない。当然だ。

もし殺人が完遂できたら、加害者は達成感に狂喜する。
逆に殺人が未遂に終わったら、いじめっ子が生き残ることを激しく後悔するはずだ。何で殺せなかったのか?
犯行前はいじめっ子として学校で自分に屈辱を与え、犯行後は生き残った被害者として自分の人生の重荷となる。お前なんかのために、オレは刑務所にいるんだぞ! 二重の意味で自分を束縛するウザイ奴だ。

無差別的な復讐は断じて良くない。
だが、学校でいじめられる子の恨みは、いじめの首謀者個人に対するものだけでは決してない。その怨念は、教室という「空間」に対しても向けられる。いじめに加担し、いじめられる自分を冷笑し無視するクラスメイトが作り出す、教室という「空間」を破壊したい。

怨恨がいじめの首謀者に対してだけなら、いじめられっ子は凶器に刃物を使う。しかし教室という「空間」もろとも破滅させたい「いじめられっ子」は、凶器に爆弾を選ぶ。





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Last updated  2006/12/06 03:39:35 PM
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